北朝鮮はマジで「反米」を捨てたかもしれない 「反米切手」が土産物店から一斉に消えた

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ちなみに反米商品が土産物店から消える前の5月、「北朝鮮ニュース(NK News)」は平壌周辺および北朝鮮の主要都市から反米のプロパガンダポスターが大部分撤去されたことを独自に報じている。

ビアード氏は、現在も反米ポスターが撤去されたままであることを確認している。「金日成広場沿いに反米ポスターが張られている場所がいくつもあったが、ポスターははがされていた」

同氏は、最近訪朝したときも反米ポスターをまったく見かけなかったという。「いつもは毎月のように新しいポスターが張られていた場所」からポスターが完全に消えていたというのだ。

新しいタイプのプロパガンダポスター

北朝鮮は新しいタイプのプロパガンダポスターを5月にオンライン上で公開している。南北首脳会談で署名された板門店宣言や南北の最近の融和ムードを宣伝するためのものだ。しかし、ビアード氏は、こうした南北融和ポスターが平壌市内で掲示されていたり、土産物店で販売されていたりするのを見かけたことはないという。

反米ポスターが撤去されたのは、米朝関係の改善に連動したものだろう。北朝鮮と米国の融和ムードは、先日シンガポールで行われた金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長とドナルド・トランプ米大統領の首脳会談でクライマックスを迎えた。

会談を行ったトランプ氏は金委員長を侮辱する考えがないことを繰り返し表明している。トランプ氏自身が米韓軍事演習を「(北朝鮮に対して)挑発的」と呼び、演習の停止を決めたのはその最たる例だ。

会談を終えた金委員長とトランプ大統領は互いを称賛。北朝鮮メディアは首脳会談の開催が確定した6月上旬以降、米国に敵対的な報道を差し控えるようになっている。

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