愛甲猛の転落生活をトコトン支えた妻の献身 人気プロ野球選手の光と影をともに見てきた

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プロ入団後も、愛甲人気は変わらず、スタンドからは、若い女性ファンの黄色い声援が鳴りやまなかった。

ところが、プロ野球選手として、スタートを切った直後、暴行事件が発覚。愛甲さんが野球部のチームメイトと、つまらぬ言い合いから相手を殴打し、骨折させてしまったのだ。

その影響で後輩たちが、次の地区大会の出場辞退を余儀なくされ、愛甲さんは土下座して謝罪した。みずから招いた過ちで、波乱の野球人生の幕開けとなってしまった愛甲さんだが、プロ入り3年目に、1人の女性と運命的な出会いを果たすのだった。

甲子園のアイドルとの運命的な出会い

高校を卒業し、地元千葉県の宝石店に就職した佐知子さん。佐知子さんが20歳の時、仕事帰りの電車内で酔っ払いに絡まれ、恐怖を感じ、近くの席の男性に助けを求めた。その助けを求めた相手こそ、のちの夫・愛甲猛だった。

若き日の2人。周りに気を遣いながら交際した(写真:TBSテレビ)

テレビで見た記憶のあった佐知子さんは、「もしかして、野球選手の愛甲さんですか?」と聞くと、猛さんはそれを認めた。電車に乗っている間、猛さんと佐知子さんは、同い年だったということもあり、他愛のない話でも会話が弾んだ。

その時の妻・佐知子さんの印象を、夫・猛さんは「ファンとして寄ってくる人とは、全然違うものがあったから意外と新鮮に感じたというか、気は楽だった」と振り返る。

電車に乗っている短い時間ではあったが、気の合った2人は、別れ際にお互いの電話番号を交換した。

その後、佐知子さんは、何度もお礼の電話をかけようと思ったが、猛さんが有名人だったので気が引けて、なかなか電話をかけられなかった。佐知子さんが思い切って連絡をしたのは、半年後だった。

それでも、猛さんは佐知子さんことを覚えていた。それもプロ野球選手とは思えぬ気取らない態度に、佐知子さんは好意を抱いた。

妻・佐知子さんは当時の心境を振り返る。

「ビビッときましたね。思いやりもあったり、優しかったり、考えることが真面目。この人は大丈夫だなって、実感しました」

一方、猛さんはこう言う。

「気を遣って特別みたいな感じでやられちゃうと、逆にこっちも堅苦しくなっちゃうというか。“野球選手の愛甲”っていうふうに見られているんだったら、交際は多分考えていなかったと思う」

そして2人は交際を始めたが、思いもよらぬ障害が2人を待っていた。

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