うつ病や自殺さえ招く「薬の副作用」の新常識

米大学の最新研究が明かす副作用の実態とは?

とはいえ、アメリカで処方されている薬と、日本で処方されている薬はすべて同じではない。ひと口に降圧薬といっても、すべての降圧薬にうつ病の副作用があるわけではない。

自分が服用している薬の副作用は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)のホームページで調べられる。手順は以下の通りだ。

1. ホームページに飛ぶ
2. 一般名・販売名(医薬品の名称)に服用薬の名前を入れる
3. 検索結果一覧で表示する文書を選ぶで「添付文書」だけにチェックを入れる
4. 「検索」ボタンを押す
5. 該当する服用薬の「添付文書」からファイルを開くと、副作用がわかる

添付文書は慣れないと読みづらいかもしれないが、副作用や注意の項目に「うつ状態」「自殺念慮」などが記載されていないかチェックすればよい。少し手間だが、うつ病関連の副作用以外にもどういった副作用があるのか知っておけば、いざというときにも落ち着いて対応できる。

薬の副作用で起きるうつ病の注意すべき症状

そもそも、副作用はかなり特殊なケースであり、そう頻繁に起こるものではない。日常診療で薬を処方されるたびに、可能性がある副作用の説明をいちいち受けていたら、それだけで日が暮れてしまう。

このため、こうした薬が処方されるとき、患者に副作用で起きるうつ病の可能性について医師や薬剤師が説明することはほぼない。しかし、レアケースであるからこそ、医師が実地で経験する症例も少なく、見逃されると深刻になりやすい。

薬の副作用で起きるうつ病は、「薬剤惹起(じゃっき)性うつ病」と呼ばれている。2008年に厚生労働省が発表した『重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤惹起性うつ病』には、注意すべき症状として以下が挙げられている。

薬の服用後に注意したい症状
・眠れなくなった
・物事に興味がなくなった
・不安やイライラが出た
・いろんなことが面倒になった
・食欲がなくなった
・気分が落ち込んだ

このマニュアルによると、うつ病を起こしやすい薬物として、インターフェロン製剤や副腎皮質ステロイド薬のほか、レセルピン、β遮断薬、カルシウム拮抗薬といった降圧薬や、抗ヒスタミン薬、経口避妊薬などが挙げられている。

ただし、厚労省マニュアルは公表されてからすでに10年が経過し、これまで一度も改定されていない。今回発表されたアメリカの研究で、よく処方される薬に挙がっていたプロトンポンプ阻害薬は、厚労省マニュアルには登場していないが、日本でもお馴染みの薬である。

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