うつ病や自殺さえ招く「薬の副作用」の新常識 米大学の最新研究が明かす副作用の実態とは?
最近よく眠れない、いろいろなことに興味が持てない、不安やイライラが続く、死にたい……。これらはすべて、よく知られているうつ病のサインだ。こうした症状が表れたら、普通なら休養を取ったり、心療内科の受診などを検討するだろう。
だがその前に、普段服用している薬の副作用を確かめたほうがいいかもしれない。実は、ありふれた処方薬の副作用で、うつ病になる可能性がある。
最新研究が明かす副作用の実態
世界5大医学雑誌の一つ、アメリカの医学総合ジャーナル『JAMA』2018年6月12日号に掲載された最新研究によると、アメリカ人の3分の1以上が、副作用でうつ病を起こす可能性がある処方薬を少なくとも1剤以上服用していることが明らかになった。
イリノイ大学のグループが2005年から2014年のアメリカ国民健康栄養調査データを研究した結果、こうした薬を処方されている人は、処方されていない人に比べて、うつ病の割合が高かった。
うつ病の副作用が起きる可能性のある薬の処方数が増えると、うつ病がある人の割合も高くなっていた(うつ病の有病率は、処方なし:4.7%、1剤処方:6.9%、3剤以上処方:15.3%)。
今回の研究対象になった処方薬には、うつまたは自殺念慮の副作用が出る可能性のある薬が200種類以上含まれていた。この中で最もよく用いられている薬は、降圧薬、プロトンポンプ阻害薬、鎮痛薬、ホルモン避妊薬だった。
イリノイ大学の研究者らは、うつ病とうつ病を起こす可能性がある薬の処方との関連について、医師が患者と話し合うべきだと結論している。
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