うつ病や自殺さえ招く「薬の副作用」の新常識 米大学の最新研究が明かす副作用の実態とは?

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もし薬によるうつ病が疑われたら、どうすればよいか。大切なのは、勝手に服用を中止せず、まずは担当医と相談することだ。

前出の厚労省マニュアルには、「できれば減量・中止して、経過を慎重に観察することが重要」と記載されている。減量または中止してうつ病が改善すれば、その薬物がうつ病の原因であったことが判明するというわけである。

処方薬5剤以上で体調不良なら医師に相談を

OECDヘルスデータ2015によると、日本はアメリカに次いで2番目に1人当たりの医薬品支出が多い国だという。リーマンショック以降、OECD諸国では医薬品費が抑制される傾向にあるが、日本では年平均5%で医薬品費が伸び続けている。

日本では多種類の薬を併用することにより患者に悪影響が起きる「ポリファーマシー(多剤併用・多剤処方)」も以前から問題となっている。

2016年社会医療診療行為別統計によると、40歳以上では1件当たり3種類以上の薬剤が処方されている割合が50%に達している。さらに高齢になればなるほど、抱えている疾患が増え、違う診療科から複数の薬剤を処方されるようになる。このため、75歳以上になるとこの割合は60%を超える。

特に専門家の間では、5剤以上の多剤併用・多剤処方では、副作用や死亡、日常生活動作の低下、転倒などの増加につながることが以前から指摘されている。

現時点で5剤以上処方されている薬があり、何らかの不調が続いているようなら、副作用の観点からも医師と薬を見直すいいタイミングかもしれない。

山口 茜 医学ジャーナリスト、プサラ研究所所長

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やまぐち あかね / Akane Yamaguchi

医師専門の医学新聞社に勤務し、これまで約20年間にわたり世界20カ国以上で取材活動を展開、取材した医師は2000人を超える。2013年に新聞社を退社後、 2014年株式会社プサラ・インスティテュートを設立。「医学をわかりやすく」をモットーとしたプサラ研究所所長として、高度な医療情報を医師や専門家だけでなく一般にもわかりやすく伝えている。日本医学ジャーナリスト協会会員。

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