日本の「自動車関連税」歪んだ体系にモノ申す 実に9種類もあり、二重課税も放置されている

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不公平や矛盾が生じたままになっている(写真:mits / PIXTA)

日本自動車工業会(JAMA:通称・自工会)の18代目会長に、トヨタ自動車の豊田章男社長が就任した。5月に開かれた就任会見で、豊田氏は「お客様にとってクルマ・バイクを購入しやすく、保有しやすい環境をつくること」と「現場の力を通じて、モノづくりの信頼回復に努めること」の2点について述べた。

その中で購入しやすく保有しやすい環境づくりの面で、自動車税制の改革に終止符を打つとの抱負を語っている。

クルマは9種類もの税金が課せられている

自工会は、かねてより自動車関連税制の改正へ向けた取り組みを行っている。たとえば、2004年の第38回東京モーターショー以降「みんなで考えよう クルマの税金」と題して、自動車関連諸税に関するフォーラムを繰り返し開催し、消費者への啓蒙活動を行ってきた。同時に署名を集め、あるいは政府への要望書を提出するなどしてきた経緯がある。

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一方、2009年度から、道路特定財源の一般財源化は施行されたものの、クルマの購入、保有に関わる税収から、道路関連ではない分野へ財源が投入されることがはたして正しいことであるのかどうか、議論の余地が残されている。

民主党政権下の2010年には租税特別措置法が改正され、暫定税率が廃止されたことにより一時的にガソリン代が安くなったが、現実的な財政状況の厳しさから、当面の間は現行の税率を維持するとの決定がなされ、わずか1カ月で暫定税率分の徴収が復活し、以後なし崩しの状態となっている。

クルマの購入から保有、そして使用の3段階で、9つ(消費税を含む)もの税金が課されていることは世界的に見てもめずらしい。クルマを利用する人たちは黙ってそれらを納税する優良な国民である。だが、現行の税制にはさまざまに不都合な側面がある。

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