日本の「自動車関連税」歪んだ体系にモノ申す 実に9種類もあり、二重課税も放置されている

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さらに、度々これまでも出てきた、暫定税率(当分の間という税)が何年も継続されていること自体、言葉の意味との整合性がつかない。

暫定も、当分の間も、その意味は、一時的なものということになる。ところが、揮発油税と自動車重量税は1974年から、軽油引取税は1976年から、財源不足を補う暫定措置として増税されたまま今日に至っている。

これら暫定税率は税収不足を補うはずで追徴されてきたが、税収が増え続け、それを年度で使い切る行政の仕組みによって余剰が生まれる事態になり、余計な道路建設に充てられてきた経緯がある。その批判を受け、従来の目的税(道路特定財源)から一般財源へ変えられたのだが、道路建設以外にも広く一般に使われる税収となったにもかかわらず、クルマの利用者からのみ税を徴収する目的税の趣旨からの転換がはかられておらず、矛盾を解決できていない。

自工会では、自動車関連諸税の税体系の簡素化を訴え続けてきた。1つの案が、取得段階での自動車取得税を廃止し、消費税への一本化。道路特定財源として道路整備の目的のため創設された自動車重量税を撤廃し、同じ意味を持つ自動車税と軽自動車税へ一本化。揮発油税や軽油引取税、石油ガス税を撤廃し、燃料税として一本化する案である。

燃料税については、CO2排出量を削減する意味で、炭素税という名目でもいいだろう。また、事業者向けが主体であったことから、揮発油税に比べ軽油引取税は割安の税率であったが、燃料を消費しCO2を排出することは同じであるので、一本化されることにより環境税としての意味がより深まる。

なおかつ本来であれば、燃料税、炭素税、あるいは環境税として燃料に税を課するなら、税からの消費税は外されるべきである。それによって、税金に消費税を課する矛盾が解消される。

不公平や矛盾があってはならない

税金は、行政により国を運営するため国民が広く負担する公平性が重要であり、同じ意味の税が二重に課せられたり、税金に消費税が課せられたりする不公平や矛盾があってはならない。そうしたことが、納税意欲を失わせもする。

クルマのユーザーは、面倒だと言わず、税を知り、税制を正すことに声を上げ、そのうえで納税義務を果たすことが望ましい。自工会の活動をただ見守っているだけでは、豊田自工会会長が声高に語っても自動車関連の税制は改善されない。

御堀 直嗣 モータージャーナリスト

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みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

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