訪れる地域が抱える課題やその背景を学んだうえで、ICTを利用した解決策を策定する。募集サイトによれば、「脳がちぎれるほど」課題解決の方法を考えるという。最終日には、それぞれの自治体に対して提案の機会も設けられており、参加には相当な覚悟が必要だろう。
さらに場所を海外に移して行うものもある。人材派遣大手のリクルートは「GLIP」という海外派遣型プログラムを提供している。2日間の事前研修を経て、ミャンマーもしくはベトナムに6日間滞在、現地に進出している日系企業が抱える課題について、その解決策を提示していく内容だ。
「次世代リーダーの育成」を目的にしており、わずか数日の間で、現地の状況や問題点を発見し、日系企業がその解決策として導入・検討するに値するレベルの提案をすることが求められる。
国内での事前研修も目玉のひとつで、学生のメンタルモデルを徹底的に分析し、参加者同士で意見をぶつけ合いながら、それぞれの持つ成功パターンを否定・内省させる。自分の弱さを自覚させたうえで、本当の強みを発見させていくのだという。
このプログラムの海外渡航費や宿泊費は、すべてリクルートの負担となっている。学部の専攻や、学年、語学力も不問だ。1カ国35名程度の募集に対して倍率100倍以上と、狭き門だが、社会人になってからも2度とできない貴重な経験ができるだろう。
実際に教師職を体験してもらう
1Dayインターンシップの中にも、実際の職場に入る「仕事体験型」のインターンシップはある。特にサービス業にそうしたインターンシップが多い傾向だ。
神奈川県内を中心に中学生向けの集団指導塾を展開するステップは、「授業をつくろう!」という、教師職を体験するプログラムを提供している。学習塾業界や塾講師の仕事について学んだうえで、実際に中学生向けの問題を解いたり、授業プランを考えたりする。そして模擬授業を行い、現場社員からフィードバックを受けるという内容だ。
同様に生徒指導を行うチューター職を体験するプログラムも提供している。定員が1回あたり5名程度と少人数で設定されているので、1Dayインターンシップではあるものの、濃密な就業体験ができそうだ。
警備業界大手のセントラル警備保障は、警備スキル体験実習を行える、ユニークな1Dayインターンシップを開催している。心肺蘇生などの救命体験、初期消火実習を行う消防体験、簡単な護身術を習う実習やプロの護身術の見学ができる内容で、日常生活にも役立つ経験ができる。
就活に直接役立つインターンシップもある。紳士服チェーン最大手の青山商事は、1Dayインターンシップで「マネキン作成体験」講座を実施している。グループディスカッションを経て、スーツやネクタイのコーディネートを協議し、店舗に配置するマネキンを作成するというプログラムだ。
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