あの「カラムーチョ」、人気再燃3つの理由

激辛ブームから30年、ベテラン菓子の底力

『Hanako』も2017年9月14日号で、久々にアジア料理店の特集「今、食べたいのはアジアごはん。」を組んだ。今は、特に刺激系にフィーチャーする形で、エスニック料理ブームが再来しているのである。

食に刺激を求めるもう1つの要因として、経済活動の活発化が考えられる。一般的には好景気の実感が薄いとはいえ、新卒の就職は売り手市場、企業は人手不足に悩む。東京では2020年のオリンピックに向けた再開発が盛んで、高島屋が今秋体験型の新館を日本橋にオープンする予定など、新業態に打って出る企業も目立つ。世の中がアグレッシブになるとき、人の嗜好もアグレッシブになる。唐辛子やスパイスの刺激を求めるのは、そのせいではないか。

当初は販路探しに苦戦した

振り返ってみれば、前回のエスニック料理ブームも、バブル景気が始まる時期と重なっている。当時のブームは激辛ブームを伴っていた。牽引した1つが、1984年に発売された日本初の激辛スナック菓子、カラムーチョだった。

湖池屋がカラムーチョを発売したきっかけは、視察に行った米国でメキシコ料理がはやっており、辛いチップスも人気だったこと。米国では1970年代後半から、ベトナム難民が増えたことなどをきっかけにエスニック料理ブームが起きており、メキシコ料理の流行も、その1つだったと考えられる。

が、いざ日本でカラムーチョを発売したものの、当初は販路開拓に苦戦した。当時の日本人は唐辛子の刺激に弱く、激辛スナックは売れないと思われたのだ。それが「情報発信基地と呼ばれていたコンビニエンスストアのバイヤーさんが、これから伸びそうなものを探していて、カラムーチョが合致したんです。すると、罰ゲームに使える辛さ、と若者中心に口コミで爆発的に広がった」と小幡氏は振り返る。

カラムーチョには、スティックタイプとチップスタイプがある(撮影:今井康一)

ここから、カラムーチョ人気再燃のもう1つの理由が導き出される。それは、当時カラムーチョを好んで食べていた若者たちが、再び戻ってきている可能性である。かつてのファンも今や40~50代。久しぶりに買ったカラムーチョを家族で食べた結果、その子どもたちが新たにカラムーチョのファンになっている、ということも考えられる。

次ページ湖池屋が目を付ける「次」の味
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • フランスから日本を語る
  • 日本野球の今そこにある危機
  • 財新
  • スージー鈴木の「月間エンタメ大賞」
トレンドライブラリーAD
人気の動画
地方スーパーが撃沈「コスモス薬品」の破壊力
地方スーパーが撃沈「コスモス薬品」の破壊力
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
日本人が知らない「ビタミンD」不足の怖さ
日本人が知らない「ビタミンD」不足の怖さ
「上司の品格」を疑われる、やってはいけない7つの質問
「上司の品格」を疑われる、やってはいけない7つの質問
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
SDGsが迫る企業変革<br>ビジネスと人権

サプライチェーンの中で起きる人権侵害への意識が高まっています。欧米では法制化が着実に進展し、企業に対し人権リスクの把握と対策を求める動きが顕著に。欧米に比べて出遅れている日本企業の現状を多角的に検証します。

東洋経済education×ICT