米朝会談は、結局のところ「成功」か「失敗」か

過去にも「非核化」で合意したことはあるが…

東洋経済オンラインを含む日本のメディアでは、「体制保証」という表現を使っているが、「保証」は与える側が責任を持つことを意味する。北朝鮮の「体制」については、金一家体制であれ、共産主義体制であれ、あるいはその他の体制であれ、米国が「保証」することはあり得ないので、正確な翻訳ではない。

「体制保証」ではなく「安全保証」

米国政府が使っているのは「regime guarantee(体制保証)」ではなく、「security guarantee」であり、これは「安全の保証」と訳すべきだ。1994年の枠組み合意や前述の2005年共同声明で用いたのは「米国が北朝鮮を攻撃しない」という具体的な表現であり、今回の合意で用いられたのは「security guarantee」であった。なお、トランプ大統領は「security protection」と表現したこともある。

米朝首脳会談は、終始、友好ムードに包まれていた(写真:ロイター)

ともかく、トランプ・金会談では、前述した「今後、米朝間で新しい関係を築いていく」との合意で承認問題の方向性が示されたとみられる。

普通に考えれば、米国が北朝鮮を承認する時期は、核兵器の廃棄が完了した時点とすべきであろう。つまり、「北朝鮮による核兵器の廃棄」と「米国による北朝鮮の承認」の2つを最終的なゴールとするべきである。

さらに、トランプ・金会談では、米朝双方の共同作業として、朝鮮戦争の終結宣言を行うとの観測も流れたが、これは行われなかった。これだけを取り出すべきでなく、平和条約締結の中で処理されるべきだと考えられたのだろう。

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