駅前「中野サンプラザ解体」新区長でどうなる 解体・再整備計画の見直し訴えた新人が当選

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中野サンモールと中野ブロードウェイはまっすぐつながっており、そのまま自然と入っていけるように工夫されている(筆者撮影)

こうして急速にまちができていったためか、現在の中野駅周辺は手狭な印象が強い。特ににぎわっている印象が強いのは北口の改札前だ。小さな駅前広場は人であふれ、すぐ向かいに雑居ビルが建ち並ぶ。その雑居ビルの間を通るアーケードの通り、「中野サンモール」はチェーン店を中心に多様な店舗がある。サンモールを抜ければ、秋葉原と並んで「サブカルの聖地」とも呼ばれることがある「中野ブロードウェイ」に至る。

中野ブロードウェイは地下1階から4階を商業フロア、5階以上は約220世帯の入居する高級マンションとして1966年にオープン。はじめはブティックを中心におしゃれ路線だったというが、1980年の「まんだらけ」の進出と拡大からサブカルチャー路線の店が増えた。当初は区画がきれいに割り振られていたものの、その後は区画を半分にしたところや逆に2つの区画を一緒にしたところもあり、店の大きさはふぞろいだ。また建築時にできるだけ区画を詰め込もうとしたことから通路がジグザグになっている所もあり、その不統一感や雑多さが建物の独特な魅力を生み出している。

整然とした「中野四季の都市」

こうした雑多な印象を受ける北口正面のサンモールやブロードウェイ周辺に対して、対照的なエリアもある。それは中野駅北口から西へ向かい、中野通りを挟んで反対側にあたるエリアだ。このあたりには以前、陸軍学校や警察学校があり、払い下げに際しては都市計画にのっとった開発が行われている。

中野四季の都市のオフィスエリア、「中野セントラルパーク」。建物の前にはオープンテラスがある(隣接公園敷地から筆者撮影)

このエリア全体を「中野四季の都市(まち)」と呼び、オフィスビル「中野セントラルパークビル」をはじめ、公園や大学などがある。中野セントラルパークはキリンビールの本社などが入る大規模なオフィス棟やその前に広がる開放的なスペース、そして公園を併設していることが特徴的だ。オフィス棟前の公園と一体化したスペースではイベントも数多く開かれる。そのため、平日だけではなく、土日もにぎわうエリアとなった。ちなみに、このエリアの完成によって昼間人口が約2万人増えたと言われる。

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