駅前「中野サンプラザ解体」新区長でどうなる 解体・再整備計画の見直し訴えた新人が当選

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しかし、中野駅そのものがこうした周囲のまちの発展に対応し切れていないのが現状だ。

夕刻の中野駅北口。多くの人であふれかえる(公道上から筆者撮影)

改札口は南北1カ所ずつしかなく、主に使われる通路は2つの改札口を直線で結ぶ1本だ。駅の構造としてはわかりやすくはあるものの、通路の幅は狭く、混雑する時間帯にはまっすぐ歩くのに苦労する状態だ。北口を発着するバスも駅周辺に乗り場が点在していて、どこからバスに乗っていいのかわからないことが多い。また、中野駅の南北を抜ける歩行者導線もなく、中野通りの薄暗いガード下を歩くことになる。

注目が集まるサンプラザ地区再整備

こうしたまちの課題を解決するために、現在駅の南北でいくつもの再開発事業が動き出している。その中で大きく、いま注目されているのが、中野区役所・中野サンプラザ地区の再整備と中野駅の新しい改札口・自由通路の設置だ。

まず、中野駅であるが、現在の中野区役所の南側に南北自由通路と駅舎を設けることとし、今年の1月末からJR東日本が実施設計に着手した。南北自由通路は整備後に中野区道となり、駅舎は立体道路制度を活用しつつ、地下1階地上5階建てで延べ1万8000平方メートルとする。ここにJRは改札口のほか、商業施設を設けることも検討中だ。

新しい改札口・自由通路が出来る場所。土地は確保してあるが、現在は駐輪所やバス乗り場として使われている(筆者撮影)

しかし、工事エリアに軟弱地盤があることや、夜間作業ができる時間が2時間程度と短いこともあり、2016年に工事が始まってから駅舎全体の完成まで10~15年かかると試算されていた。現在は改札口・自由通路の2027年の完成を目指して事業を進めており、またさらに工期を短くする方法も検討しているという。この新しい改札口と南北自由通路ができることで、中野四季の都市(まち)はアクセスが飛躍的に改善される。

そして、新たな改札と自由通路は中野区役所・サンプラザ地区の再整備にもなくてはならない存在だ。

中野区役所は1968年、中野サンプラザは雇用・能力開発機構によって1973年に建てられた建物で、2004年には中野区が株式を保有する第三セクター「まちづくり中野21」が取得した。山下達郎氏やサンプラザ中野くん氏をはじめとしたミュージシャンや、「モーニング娘。」などハロー!プロジェクト関係のアイドルなどに使われる人気の施設だ。

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