全曲聴ける「GLAY公式アプリ」が画期的な理由 TAKUROが語る「ネット時代」のアーティスト

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動画は、ミュージックビデオやライブ映像、特典映像などが見られる。内容は定期的に入れ替えるという(画像:GLAY公式アプリより)

「それから、GLAYと一緒に年を重ねて、人生の変化を経験してきた人たち。結婚して子どもが生まれて、音楽どころじゃなくなったけど、育児が落ち着いたときに、手間をかけずファンに戻れる」(TAKURO氏)

そのほか、ユーザーやファンの声を取り入れながら、これまでになかったような新しいサービスも展開していきたいという。これらはみんな、メンバーが発案するそうだ。

「次々に新しいアイデアを出すのはTERUですね。たとえば7月からスタートするサービスは、ポケモンGOみたいに、あるスポットに行くとメンバーからのコメントがスマホに表示される、というものです。8月の函館のライブでもこれを利用して地域活性化につなげようと、函館と話し合いながら進めています。たとえば僕らが練習していたスタジオに行くと、メンバーの顔とコメントが出てきたり。新しい観光スポットがつくれれば面白いですよね」(TAKURO氏)

地元である函館では2013年に続き、2度目の野外ライブを8月25、26日に開催する。前回は新幹線開通前にもかかわらず5万人が集まったそうだが、今回も5万人を超える動員を予定。これに合わせ、日本各地からのオフィシャルアクセスツアーも企画しているという。

四半世紀のGLAYとしての展望

最後に、2019年の25周年を含め、新たにスタートする四半世紀のGLAYとしての展望を聞いた。

「まず来年は、これまで支えてもらったことへの恩返しとして、できるだけ多くいろいろなところへ足を運んでライブを行いたい。アジア圏まで足を伸ばしてね。振り返ってみるとデビュー後の5~10年は、ライブはヒット曲を中心に構成されていたけれど、今は関係ないと感じます。盛り上がる曲をやっても、静かな曲をやっても、あまり変わらない。デビューからファンの人も、途中でファンになった人も一緒に歩いてきた。メンバーの心臓の音を聴きに来ているんじゃないか、という人もいますよね。そうしたすべてのファンと一緒に、すばらしい音楽体験をしたいと思います。

健康診断の結果によれば(笑)、次の25年も大丈夫そうです。ローリングストーンズのようなバンドになれればいいですね。70歳過ぎているんだけども、ライブに行くと『やっぱりストーンズはいいな』と。仲がいいんですよね。その姿を見るとみんな幸せになる。ギスギスした雰囲気のなかでつくられる音楽はやっぱり、そういうメッセージをファンに伝えてしまうと思う。僕たちはそんな心配はなくて、もし解散するとしたら、音楽性の相違とかではなくて“笑いのツボ”が原因ですよ(笑)。それぐらいいつも、仲間にだけ通じるギャグで爆笑しています。TERUなんて、12歳の頃からずっと変わらず面白いヤツですから」(TAKURO氏)

TAKURO氏自らが目指してきた理想も含め、“古き良きロック像”を追い求めるだけでは、ミュージシャンとして輝き続けることはできないと感じているそうだ。音楽面でリーダーシップを発揮することだけでなく、今後は“ビジネスマン”ともなって、メンバーが音楽を追求できる環境を整えていきたいと語った。アプリには、そうしたTAKURO氏の全力投球の姿勢が表れている。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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