「英語の長文」が読めるようになる意外なコツ 情報収集力が格段にアップ!

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では、英語の読み方を変えて、長い英文を読むのに慣れるためには、どんな力が必要なのでしょうか。それは「速読力」です。「速読」というと、「1ページ1秒で本の情報を、まるで写真のようにとらえて取り込む読み方」をイメージする方も多いと思います。中にはこうした速読法も存在しますし、日本語でも効率的にたくさんの本を読むために速読のトレーニングをしている方はいますよね。

ただし、誤解がないように説明すると、洋書を読むために必要な「速読力」はこうした能力のことではありません。ここでいう速読力とは、「細部にこだわらずに、英文の大意をつかむように読んでいく力」のことです。つまり、ネーティブが洋書を読むように「洋書をストレスなく自然に読んでいく力」です。

多少わからない文があっても気にしないこと

そこで私は、こうしたネーティブに近い自然な読み方を身に付けるために「速読トレーニング」を勧めています。速読トレーニングでは、意識的にスピードを上げて読む練習をすることで、これまでの勉強で定着してしまった精読的な読み方から脱却するのです。結果、本を読むにあたっての「自然な読み方」、つまり英文の構造を解釈しながら読むのではなく、全体的な内容をつかみながら読む力が身に付くわけです。

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ポイントは、「多少わからない文があっても気にしないで読み進める」こと。精読に慣れている方ほど、知らない単語や複雑な構文が出てきたときに「完全に意味を理解しないと気持ちが悪い」と感じやすいでしょう。しかし、実際にはわからない部分を飛ばして読んでも、前後の文脈から大体の意味を推測できることは多くあります。学校の授業や試験ではなく、自分が楽しむための読書なら、詳細にこだわるよりも大意をつかみながら、流れに乗って読み進めていくことが理想です。

同時に、同じ文章を何度も読み返す「返り読み」のクセもできるだけなくしていきます。英語は日本語と語順が異なるため、英文を頭から丁寧に訳そうとすると、ほとんどの場合に返り読みをしてしまいます。返り読みをしていては、どんなに意識しても速く読むことは難しいでしょう。300ワード程度の試験の読解問題と違い、数万ワードある洋書を読むのに、毎日1ページしか読めなければ1冊読み切るのに何カ月もかかってしまいます。また、試験のような緊張感を持ったまま読んでいては、読書自体を楽しめませんよね。

「精読的な読み方」と「返り読み」をしないことは、意識的に練習しないと、なかなかできるようになりません。今までの習慣から、私たちは1つの英文をじっくり読んで、100%理解していく読み方に慣れきってしまっているからです。そのため、とにかく「すべて理解できなくてもいい」「スピードを意識して、前に前に読み進める」という意識を強く持って、速読に取り組むことがカギになります。

速読トレーニングは、自分が本当に興味のある洋書を使って、実践的にトレーニングをするのがお勧めです。それによって、忙しいビジネスパーソンでも、モチベーションを保つことができ、1カ月程度の短期間で効率よく速読力を身に付けて、リーディング力アップを狙うことができます。速読トレーニングを通して新しい「英語の読み方」を獲得することで、洋書を1冊読み切るためのリーディング力は身に付きます。

何事もそうですが、目的が異なれば、それに適したアプローチ方法は変わります。数万語の洋書1冊を読み切るためには、長い英文を読み続けるのに適した読み方をする必要があるのです。そして、速読トレーニングは、「洋書1冊を読み切ることができるリーディング力」を身に付けるために最適なトレーニングなのです。

谷口 恵子 AI活用コーチ・英語学習コーチ

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たにぐち・けいこ / Keiko Taniguchi

2002年東京大学法学部卒業。日本オラクル株式会社(米国Oracle Corporationの日本法人)にてサポート部門エンジニア、IR(投資家対応)を担当。2008年からソニー株式会社にて調達部門の危機管理、取引先企業の経営分析を担当。2013年よりプチ・レトル株式会社 CDO(Chief Dreaming Officer)兼英語学習コーチとして活動中。ストアカ講座、オンラインスクールのschoo、企業研修などを通じて、2017年1月までに累計5700人に教える。ストアカ プラチナ・ティーチャー。『3ヶ月で英語耳を作るシャドーイング』(プチ・レトル)、『AI英語革命』(リチェンジ)など著書多数。

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