欧州政治不安で円高進行、再び「最強通貨」に

ドル高以上に円高が進行している

 5月30日、欧州政治不安が高まり、円高が進んでいる。リスク回避の円買いと、欧米の金融引き締めが遅れるとの思惑が要因だ。2010年9月撮影(2018年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 30日 ロイター] - 欧州政治不安が高まり、円高が進んでいる。リスク回避の円買いと、欧米の金融引き締めが遅れるとの思惑が要因だ。年初来では全ての主要通貨に対して円高となり、「最強通貨」の座に返り咲いた。日本株にとって円高は依然マイナスだが、日本国債にとってはプラスとの指摘もある。マーケット全体に与える影響はよくみる必要がありそうだ。

ドル高以上の円高進行

今の為替市場で進んでいるのは、ドル安ではなく円高だ。この1週間強で、ドル/円<JPY=>は約1%下落したものの、主要通貨に対するドルの価値を指数化したドルインデックス<.DXY>は逆に1%上昇している。ドル高も進んでいるが、それ以上に円高が進んでいる状況だ。

年初来のパフォーマンスでみて、前週までは、コロンビアペソ<copjpy=>が円に対しても上昇していたが、今週に入り逆転。円はすべての主要通貨に対し前年末比プラスとなり、再び「最強通貨」の座に着いている。

足元の円高の原動力は、リスク回避の円買いにある。イタリアで組閣が失敗、再選挙の可能性も高まってきている。反ユーロ派が政権を担うのではないか、財政拡張路線が加速するのではないか、といった不安が投資家を「安全資産」の円に向かわせている。

海外中銀の金融政策に対する見方の変化も、円高の背景だ。欧州中央銀行(ECB)は、9月にも資産買い入れをストップする可能性があるとみられていたが、政治不安が強まる中、その思惑は後退。米連邦準備理事会(FRB)も今年の利上げ回数が減るのではないかとの見方が広がっている。

JPモルガン証券・債券為替調査部長、山脇貴史氏は「欧州全体の景気に懸念がある中、イタリアのイベントが起こった。また、FRBが利上げを加速できるのかという疑念が浮上している。急激に景気がスローダウンすることはないだろうが、新興国の不透明感を含めると、グローバルに景気への懸念が出始めているようだ」と話す。

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