「地球外生命体」を探す日本の研究機関の正体

氷の衛星「エンケラドゥス」が「アツい」理由

「JAMSTECには、深海4000mと同じ水圧を地上で作り出す熱水実験装置があります。カッシーニのデータからエンケラドゥスを模倣した海水と岩石を使い、ナノシリカの生成実験を行えば、エンケラドゥスの海水が何℃ぐらいなのかを推定できます」

渋谷が得た実験結果は「90℃以上」。JAMSTECモデルにもってこいの環境だ。この成果は2015年に発表され、国内外から大反響を得た。生命が存在するかもしれない天体として、にわかにエンケラドゥスが注目されるようになったのだ。

熱水環境の知識と技術があったからこそ

「JAMSTECが蓄積してきた熱水環境の知識と技術があったからこそだと思っています」

一般公開のセミナーでエンケラドゥスの成果を語るJAMSTECの渋谷研究員。今年は立ち見がでるほどの盛況ぶりで、家族連れから科学マニアまでが、最新の研究報告に耳を傾けた

現在JAMSTECはJAXAと連携し、エンケラドゥスのサンプルリターン、すなわち「海水を採取して地球まで持ち帰る」計画を準備中。はやぶさ、はやぶさ2に続く、いわば日本のお家芸だ。もしもその海水中に生物が含まれていたら……地球外生命体を最初に目撃するという栄誉を勝ち取るのは、横須賀在住の研究者かもしれない。実現は早くて2030年頃。東京五輪を終えた10年後に、人類史レベルのお祭り騒ぎが控えているというのだから、日本人としては頼もしい限りだ。

※ 参考文献:『深海と深海生物 美しき神秘の世界』(JAMSTEC=監修)、『生命の起源はどこまでわかったか――深海と宇宙から迫る』(高井研=編)

(文:SHIN ASAW a.k.a. ASSAwSSIN)

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