籠池氏を焚きつけかねないメディアの無思慮 トリックスターは、もうたくさんだ

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この記述について問われると、諄子夫人は苦笑いするのみで、何も答えなかった。

籠池氏は「財務省に改ざんがあったということは、いまも改ざんがあるということではないか」と、国会に提出された交渉記録も改ざんされているかのような回答をしてみせた。「資料はそのまま本当という認識か。国会で証言した内容と異なるなら、改ざんということだ。コースター問題もそれにかかわるのではないか」と、コースター投げつけさえも改ざんと印象づけるトリッキーな話しぶりだった。

保釈後、開かれた森友学園前理事長の籠池泰典被告の記者会見=25日午後、大阪市の大阪弁護士会館(写真:共同通信)

話はさらに熱を帯びる。「書き換えは国家公務員がすべきことではない。公務員は国民のサーバントだ。そんなことをしたら背信だ」と公務員批判が始まった。

その舌鋒は、国家公務員を率いる最高責任者である安倍首相にも向けられる。「為政者は本当のことを言うべき。正々堂々と伝達・報告すべきものだ」と述べ、昭恵夫人にも「本当のことをしっかりと伝えていただいたらいい」と逮捕前と変わらぬ様子を見せた。

無批判に主張を垂れ流すような報道は控えるべき

「早朝の志を得る初夏の風」

これは保釈の日の朝に籠池氏が詠んだ句で、会見で披露された。それにはこれから安倍首相、昭恵夫人、そして財務省や大阪府に反撃してやるんだ、という籠池氏の確固たる意志が見てとれる。

だが国民が望んでいるのは、「森友問題の真実はどこにあるのか」を解明し、この問題にいったん終止符を打つことだ。引っかき回すトリックスターなら、もういらない。

真相解明を目標とするのであれば、野党もメディアも籠池夫妻の言説については、すでに明らかになっていることとの食い違いを検証しながら取り扱っていく必要がある。とくにテレビメディアは、取材や出演にあたって、先方を焚き付けたり、先方からの条件を過度に受け入れたり、というようなことをするべきではない。昨年と同様、そのようなことをやるのであれば、あまりにも無思慮といえるだろう。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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