ソニーがα7で狙うプレミアムカメラの覇権 ニコン、キヤノンを揺るがすミラーレスの技術革新(下)

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ソニーをはじめ、各社がプレミアム製品に力を入れている背景には、こうした市場の急縮小がある。プレミアム・コンパクトへと大きく舵を切ったのは、もはやコンパクトカメラでボリュームーゾーンを取っても利益にならないためだ。

求められる一目瞭然の長所

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高倍率ズームの「DSC-RX10」を発売(画像を拡大すると望遠側の画像になります)

ソニーでは、エレクトロニクス事業の構造を「スマートフォン+プレミアム製品」へと転換していくソニーの新しい戦略が動き始めている。”写真撮影”の原体験がスマートフォンになっている以上、スマートフォンにはない特徴を磨き込み、一目瞭然で心地よさや美しさを感じさせねばならない。

通常のコンパクトカメラに比べ、撮像素子の面積が4倍前後となる1インチセンサーを採用する「DSC-RX100」がヒットすると、その後継機や高倍率ズーム機能を持った「DSC-RX10」を投入。いずれも、”スマートフォンの次”へと踏み出してもらうため、画質、質感、操作感にこだわった製品である。

RX10やRX100はいわばセミ・プレミアムな製品だが、本当にプレミアムな製品も用意している。

それがソニーが独自開発したフルサイズCMOSセンサーを搭載した高画質カメラだ。昨年秋の発売以来、ハイアマチュアの間で話題になった25万円のコンパクトデジタルカメラ「DSC-RX1」がその最たるものだ。

それに加えてノンレフレックス一眼の、「α7」シリーズにもフルサイズCMOSセンサーを搭載。プレミアム機のラインナップを一気に拡充してみせた。

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