プライベートジェットは「ぜいたく品」なのか

世界を飛び回る経営者たちにはすでに必需品

ANAホールディングスと双日が始めるビジネスジェットチャーター事業では、米国内や欧州域内などの短距離便でホンダジェット(写真)を活用する(撮影:大澤 誠)

ソフトバンクグループの孫正義社長や楽天の三木谷浩史社長ら、世界を飛び回る経営者が手放せないツール、それが「ビジネスジェット」だ。プライベートジェットとも呼ばれる小型飛行機で、国土の広い米国では登録数が2万機近いのに対し、日本ではわずか62機。日本企業の利用はまだ少ない。

活用を促そうと、ANAホールディングスは今夏、双日との合弁でビジネスジェットのチャーター手配事業を始める。「ANAが長年培ってきた法人販売網が力を発揮する」(片野坂真哉社長)。まずは米欧におけるANAの国際線からの乗り継ぎ便チャーターで実績を積み、日本からの国際線利用も増やしたい考えだ。ここで活用するのがホンダジェット(上写真)。ホンダが開発した4〜6席の小型ビジネスジェット機で、米国内の短距離便などに適している。

日本航空も昨年から、ビジネスジェット機「ファルコン」を製造する仏ダッソー・アビエーション傘下のチャーター手配会社と組み、東京―パリ線の定期便からチャーター機に乗り継ぐサービスの販売を始めた。シャルル・ド・ゴール空港から近隣のビジネスジェット専用空港へ移動し、欧州やアフリカの各地へ飛べるプランを用意している。

スピードを取るか、コストを取るか

大手航空会社の定期便と異なり、ビジネスジェットはいつでもどこへでも飛べる。日本ビジネス航空協会の岡田圭介会長(元ANA副社長)は、「国際的な企業交渉をタイムリーに、競合他社などにも気づかれず行え、交渉相手に“ビジネスジェットを使ってまで急いでやってきた”という姿勢を示せる」と利点を説明する。

日本で普及が進まない背景には、「ぜいたくをしていると社員や株主に思われたくない経営者は多い」(岡田氏)ということがある。ビジネス航空協会によれば1往復当たりのチャーター利用料は、羽田─香港で1400万円、羽田─ロンドンで4000万円(諸経費込みの一例)。海に囲まれた日本からは、どこへ飛ぶにも安くはない。

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