ヘルシンキと日本を結ぶ便が増えているワケ フィンエアーが日本路線で欧州最大手に
北欧フィンランドの首都ヘルシンキは、今や欧州有数の”空の玄関口”となっている。ここを拠点とする航空会社、フィンエアー(フィンランド航空)が今、急成長を遂げつつある。
2017年は売上高(25.7億ユーロ)、旅客数(1190万人)ともに前年比で約10%増え、過去最高の営業利益をたたき出した。成長著しいのがアジア路線だ。前年から売上高が2割伸び、今や欧州路線を超え、フィンエアーとして最大市場となった。3月25日から始まった2018年夏ダイヤでは、アジア路線を最大週97便運航する。
週31便運航、日本路線で欧州最大手に
日本は売上高や旅客数で、フィンエアーにとって本国フィンランドに次いで2番目の市場だ。5月以降は成田―ヘルシンキ線が1日2便体制に拡大。関西、名古屋、福岡の発着分も合わせると、日本とヘルシンキを結ぶ路線が週31便となり、ルフトハンザドイツ航空やエールフランス航空などを押さえ、欧州エアラインとして日本路線の最大手となる。
成長の理由は何か。たしかにフィンランドへの渡航客も増えてはいるが、原動力は乗り継ぎ客の取り込みにある。
ヘルシンキ・ヴァンター国際空港は日本からの飛行時間が約9時間半で、欧州の主要空港の中で日本から最も近い。「地理的優位性はわれわれの競争力の基盤だ」。フィンエアーのペッカ・ヴァウラモCEOがそう話すとおり、アジアから欧州各都市へ飛ぶ際の乗り継ぎハブとなっている。
同社はヘルシンキから欧州の100都市以上に路線を張っている。実際、日本発着の旅客のうち、8割はヘルシンキで乗り継ぎ、他の欧州の都市へ向かう。ヘルシンキが最終目的地という客は残りの2割にすぎない。
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