ヘルシンキと日本を結ぶ便が増えているワケ フィンエアーが日本路線で欧州最大手に

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乗り継ぎの利便性を上げるべく、ヘルシンキ空港とも緊密に連携しているという。2009年の新ターミナル完成時に、フィンエアーは国際線と国内線を同一ターミナルに集約。さらにダイヤや発着ゲートの調整により、35分という最短乗り継ぎ時間を実現した。

空港側では、出入国審査の自動・無人化を進めている。現在、到着時に自動化ゲートを利用できる欧州以外の国籍は、日本と韓国のみ(出発時は欧州以外の6カ国)だ。

日本路線の搭乗率は9割近い

乗り継ぎの競争力を背景に、同社は全社的な戦略としてアジア市場に重点を置く。そのために最適な航続距離を持つエアバスの最新鋭機「A350」を、欧州のローンチカスタマー(初めて導入する航空会社)として2015年秋から導入した。搭乗率は地域全体で8割を超えており、どの地域よりも高い。日本路線に限れば「90%近い」(ヴァウラモCEO)。フルサービスの航空会社としては異例の水準だ。

フィンランドといえば、アニメキャラクターとして知られる「ムーミン」。フィンエアーは子ども向けの名前入り特別チケットなどの記念品でムーミンとコラボしている(写真:Finnair)

好業績に貢献しているのが、日本路線で8割を占める観光客だ。「乗り継ぎ需要はもちろんだが、フィンランドや北欧自体が人気の観光地となったことも大きい。われわれの規模拡大のタイミングと、観光の盛り上がりが合った。パリやローマといった長年人気の都市とはひと味違う体験をしたい人が増えていると感じる」(ヴァウラモ氏)。

一方、残りの2割を占めるのがビジネス客。日本企業で最大の顧客は、トヨタ自動車だ。名古屋(中部)線は、トヨタが下支えしているといっても過言ではない。欧州各地にある生産拠点に出張する際、利用する社員が多いようだ。

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