プライベートジェットは「ぜいたく品」なのか 世界を飛び回る経営者たちにはすでに必需品

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

今回ANAが組む双日は、2003年から国際線ビジネスジェットのチャーター事業を展開している。東京から米国東海岸まで飛べる米ガルフストリーム社製「G650」型機など、計9機を運航する。

双日がチャーター運航する長距離ビジネスジェットのガルフストリーム「G650」。広々とした機内が印象的だ(写真:双日)

顧客は40〜50社で、製造業や外食、不動産、芸能関係など幅広い。「1回の出張で何十億、何百億もの金額を動かす人も少なくない」(櫻井洋平・ビジネスジェット事業課長)。

渡航先は米国が4割ほどで最も多く、アジアと欧州が各3割ほど。数カ月前に決まることもあれば、朝に渡航が決まってその日の夜に飛ぶこともあるという。当初は富裕層のレジャーが多かったが、2012年ごろに企業需要が上回り、今は8割を占める。

規制緩和は進んだが…

羽田空港では2010年に国際線ビジネスジェットの昼間の発着が解禁され、発着回数制限も徐々に緩和された。発着制限のない成田など他空港でも専用ゲートの整備が進み、この8年で日本の各空港における発着回数は約8割増加した。

とはいえ、「日本の空港の造りは定期運航が前提。ビジネスジェットをどうしたいかという国家戦略が見えない」と前出の岡田氏は言う。目下の課題は、海外からの飛来機の受け入れ体制だ。

2020年の東京五輪では、世界中から政財界の要人が飛んでくる。期間中の飛来機数は、2008年の北京五輪で約800機、2012年のロンドン五輪では約3000機だった。羽田・成田両空港だけで対応できる規模ではない。国土交通省の担当者は「まだ議論を始めた段階で、過去大会の状況を精査していきたい」としている。

一層の規制緩和が進むかどうかは、日本企業の利用拡大が一つの焦点となりそうだ。

中川 雅博 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

なかがわ まさひろ / Masahiro Nakagawa

神奈川県生まれ。東京外国語大学外国語学部英語専攻卒。在学中にアメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学。2012年、東洋経済新報社入社。担当領域はIT・ネット、広告、スタートアップ。グーグルやアマゾン、マイクロソフトなど海外企業も取材。これまでの担当業界は航空、自動車、ロボット、工作機械など。長めの休暇が取れるたびに、友人が住む海外の国を旅するのが趣味。宇多田ヒカルの音楽をこよなく愛する。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事