(4)仕事分野ランキング─ 基幹産業が大きな柱に
1位が川崎市、2位が名古屋市、3位が広島市の順になっている。川崎市は、「若者完全失業率」や「正規雇用者比率」、「女性の労働力人口比率」が1位に位置するなど、雇用環境が整っていることに加えて、「製造業労働生産性」でも1位であり、雇用領域、企業領域ともに強みを有している。上位3市においては、我が国の基幹 産業である重工業、自動車産業が、地域産業の大きな柱のひとつとなっている。
一方で、20位は札幌市、19位は北九州市、18位は相模原市となっている。
地方創生を実現するためには骨太で力強い産業を創造し、企業等の誘致も行うことで安定した雇用の場を確保するとともに、高齢者や女性、障碍者を含めたすべての人が活躍できる環境整備が求められる。
新潟市は「持ち家比率」が1位
(5)生活分野ランキング─ 中部地方が上位に
1位が新潟市、2位が静岡市、3位が浜松市の順になっている。新潟市は、「持ち家比率」が1位、「一人暮らし高齢者率」が2位など、個人(家族)領 域の全指標において上位に位置している。なお、上位3市は個人(家族)領域の上位3市と同じ顔ぶれであり、家族のつながり、支え合いを大事にする市が生活分野の上位市といえる。
一方で、20位は大阪市、19位は福岡市、18位は京都市となっており、文化分野の上位市が生活分野では下位となっている。
住民意識やライフスタイルの変化、価値観の多様化は、さまざまな地域から多くの人々が集まる大都市においてこそより顕著であり、複雑・多様化する地域課題に対応するため、家族や地域社会のつながりと支え合いを深める取り組みがより一層求められる。
(6)教育分野ランキング─ 学校教育、社会教育両方が整備
1位が京都市、2位が新潟市、3位が広島市の順になっている。京都市は、「大学進学率」、「教員一人あたり児童生徒数」1位をはじめとした、学校領域の指標の順位がいずれも高いことに加えて、「社会教育費」1位、「図書館・博物館等施 設数」も3位と、子どもに対する教育のみならず、生涯を通じた教育環境がしっかりと整備されている。
一方で、20位は相模原市、19位は大阪市、18位は横浜市となっている。
大学等の高等教育機関が集積する政令指定都市において、将来の我が国を支える人材の育成に力を入れるとともに、若者から高齢者に至るすべての世代の社会参画や多世代 交流を促す社会教育・生涯学習の場の確保を推進することが求められる。