(1)基本指標ランキング
1位がさいたま市、2位が川崎市、3位が浜松市の順になっている。さいたま市は、「勤労者世帯可処分所得」が政令指定都市の中でも群を抜いて高く、経済的に恵まれた環境であり、結果として、「人口増加率」や「財政健全度」がトップ5という順位にも結び付いているものと考えられる。
一方で、20位は大阪市、19位は神戸市、18位は北九州市となっている。
大阪市、神戸市は「勤労者世帯可処分所得」や「自殺死亡者数」の順位が低く、北九州市は「選挙投票率」や「財政健全度」の順位が低くなっている。
基本指標は、人口動態や所得、財政健全度など、都市の持続可能性や住民生活の根幹 を支える要素を表すものであり、今回、基本指標ランキングの上位3市が総合ランキングでも上位3市になっているように、都市の土台づくりが重要である。各都市が抱える課題 等を的確に捉え、それぞれの状況に即した総合的かつ体系的な対策を講じることが求められる。
仙台市はダントツの「健康都市」
(2)健康分野ランキング─ 盤石の仙台市
1位が仙台市、2位が浜松市、3位が千葉市の順になっており、2016年版から上位3市に変動はない。
1位を維持している仙台市の「健康診査受診率」については、3位以下と 10%以上の差がついており、政令指定都市中、断トツであるとともに、「生活習慣病による死亡者数」と「平均寿命」も上位に位置しており、病気の予防に対する仙台市の住民意識の高さがうかがえる。
一方で、20位は大阪市、19位は北九州市、18位は堺市となっている。
今後、大都市においても急速に進展する超高齢化社会を見据えると、人々の幸福を左右する要素として、これまで以上に健康の重要性が増すとともに、医療・介護制度を持続可能なものとするためにも、住民の健康づくりに対する意識の向上が求められる。
(3)文化分野ランキング─ 国際的な都市が上位に
1位が京都市、2位が大阪市、3位が横浜市の順になっている。京都市は、神社仏閣など日本を代表する多くの文化財を有する国際観光都市としての 高い知名度を活かし、「『学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動』を行う NPO認証数」、「姉妹都市提携数」、「国際会議外国人参加者数」といった指標が 2016年版から引き続き1位となっており、インバウンドが増加している近年において、文化都市としての価値が高まっている。2位の大阪市も「外国人住民数」が1位であり、国際色豊かな都市が上位になっている。
一方で、20位は相模原市、19位は新潟市、18位は熊本市となっている。人口減少局面に入り、今後、異次元の高齢化を迎える我が国においては、各都市圏の中枢都市である政令指定都市が、その魅力を国内外に積極的に発信し、観光立国を実現するための牽引役となることが求められる。