日大アメフト選手の償いとメディアの無慈悲

ひどいのは監督、コーチ、学校だけではない

少なくとも、「すべて私の責任です」とざっくり話しただけで、「(指示があったかは)ここでは控えさせていただきます」と語らなかった内田正人監督と比べると、印象の差は一目瞭然。傷害罪としての責任を問われる可能性こそ残っていますが、相手選手が復帰間近なこともあり、被害者側と加害者側、双方の関係者が宮川選手を守るのではないでしょうか。

「非を正直に認める」のはクライシス・コミュニケーション(危機管理広報)の基本ですが、20歳の若者は、果敢にそれを完遂しました。世間から批判を受けたとしても、所属する大学や部を敵に回したとしても、「事実を明らかにした上で、自分の悪かった点を謝りたい」というスタンスを貫いたのです。

この点は「宮川選手の今後を守る上で、これがいちばんいい」とアドバイスしたであろう周囲の大人たちの判断力も光っていました。特に、「まだ学生である息子が謝罪会見の場にさらされる」、両親にとっては大きな決断だったことが推察されます。

「復帰は考えていない」と言い切った潔さ

また、話は変わりますが宮川選手は、先月の会見で山口達也さんが、「席がそこにあるなら、またTOKIOとしてやっていけたら」と漏らしたような、「今後の希望を語ってしまう」というミスもしませんでした。それどころか、「選手としての復帰は考えていない」と言い切る潔さを見せたのです。「勇気を出さなければいけない」「全力で謝りたい」というストレートな思いが、会見を見た人々の心を打ちました。相手の選手には気の毒ではあるものの、宮川選手がこのような心境になれたことで、「教育の一環としての学生スポーツ」という存在意義は、ギリギリのところで守られたのではないでしょうか。

それとは対照的に、疑問を抱かざるを得なかったのは、会見を取材したメディアの姿勢。

会見冒頭、弁護士が「まだ学生であるため、顔のアップは映さないように配慮してほしい」と要望したにもかかわらず、各番組は会見の大半をアップで映していました。芸能人ではなく、社会人でもない20歳の学生であることを踏まえると、これは過剰演出。司会者や弁護士を含む登壇者全員が映る引いたアングルなどでもできたはずだけに、各メディア横並びの無慈悲さが露呈されました。

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