AI時代を生き抜くための「勉強法」とは何か 弱点を突いて生き残れ!
「一を聞いて十を知る」というのは、孔子の弟子である子貢が同じく弟子の顔回の頭の良さを評した言葉ですが、簡単に言えば、一瞬にして「本質をつかむ力」と言えます。また、「応用力」も物事の「本質をつかむ力」と言えます。表面的なことや枝葉末節にとらわれないからこそ、さまざまな状況に応用できるのです。
この「本質をつかむ力」を具体的に言うと、「要は……」「つまり……」と言える力であり、「要約力」、さらには「抽象化力」と言い換えることができます。
「抽象化力」は、AIに負けないために身に付けるべきものであるのはもちろん、仕事において「デキる」人になるためにも必須です。というのも、脳を効率的に使い、思考力を高めるためには、「抽象化力」が欠かせないからです。
われわれの脳には「ワーキングメモリ(作業記憶)」と呼ばれる情報処理を行う領域があり、長期記憶などから情報や知識を呼び出して、ここで思考すると考えられています。ただし、ワーキングメモリには制約があります。容量が非常に小さいため、一度にたくさんの情報を呼び出すことができないのです。
そこで大事になるのが、情報を圧縮することです。「抽象化力」によって本質をつかみ、少ない情報で内容を表現することで、ワーキングメモリへの負荷を下げ、より高度な思考が素早くできるのです。
実際、仕事で「デキる」人は例外なく、「抽象化力」がすぐれています。
では、この「抽象化力」を伸ばすにはどうすればいいのでしょうか。
AI時代を生き抜くための「勉強法」とは?
それはズバリ「勉強」です。本を読む、資格の試験に挑戦するなどして、新たな知識を学び、それを記憶・理解し、さらには活用することです。
知識そのものが膨大な具体的経験を整理し、体系立て、「抽象化」したものです。そういった知識を学ぶこと自体が、「抽象化力」を鍛えることになります。
ただし、単に情報を得る、知識をそのまま覚えるだけの勉強では効果はありません。また、単に情報や知識を持っているだけであれば、インターネットやAIにはかないません。
「抽象化力」を鍛える「勉強法」とは、知識を学ぶ際に、抽象から具体へ、具体から抽象へ、往復しながら整理し、体系づけて記憶・理解することです。
「要するにこれはどういうことだろう?」と自分につねに問いかけつつ、抽象化する、「たとえばこれはどういうことだろう?」と問いかけて、具体化することです。
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