eスポーツは「五輪競技」として相応しいのか 「スポーツ扱い」されていない現実がある

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人気FPSタイトル『カウンターストライク』は、アジア競技大会ではタイトルはおろか、同カテゴリーのゲームも選出されていません。写真は第2回日本eスポーツ選手権大会の様子(筆者撮影)

基本的には暴力表現や性的表現のあるタイトルは排除されてしまいます。そのため、eスポーツタイトルとして現在人気の高いFPS(ファースト・パーソン・シューティング)や、対戦格闘ゲームなどは扱われない可能性があるわけです。それらのゲームカテゴリーのファンにとってみれば、オリンピックやアジア競技大会はeスポーツ大会としては、まったく意味のないものと言えるのです。

そう考えるとeスポーツは既存のスポーツの国際大会に組み込むには時期尚早と言えるでしょう。

eスポーツ単体の国際大会を目指すべき

国際大会を開くことに関しては大いに賛成をしています。なので、eスポーツの国際大会は、各スポーツのワールドカップのように、単体の国際大会をまずは目指すほうがいいかもしれません。さまざまなスポーツを取り扱う総合スポーツ国際大会にするにしても、既存の総合スポーツ国際大会とは被らないような競技、それもeスポーツ以外で運動系のスポーツからスポーツ扱いをされていない種目を集めて行うほうが建設的です。

ビリヤードやダーツ、将棋やチェス、モータースポーツ、エアレース、ボウリングなどなど。eスポーツもFPSや対戦格闘はもちろん、パズル、スポーツ、クイズなど、あらゆるカテゴリーのタイトルを網羅し20タイトルくらい用意すればいいわけです。

スノーボードやBMX、スケートボード、スノーモービルなど、オリンピックにはなかった競技、もしくはあったとしてもレギュレーションがまったく違う競技を集め、一大イベントと化したXゲームズを目指す感じです。名前もネオスポーツなどの総称を付ければわかりやすくなるかと思われます。

eスポーツが「スポーツ」という単語を付けられてしまったことにより、既存のスポーツにすり寄らなければならなくなってしまったのは、eスポーツにとっても、既存のスポーツにとっても現状では不幸と言える部分です。将来的には融合したとしても、今はそれぞれの道を歩んだほうが幸せなのかもしれません。

日本ではスポーツの国際大会というとオリンピックをイメージしますが、各スポーツ単位でいえば、それを超える国際大会は多々あります。eスポーツも、世間やオリンピック委員会が諸手を挙げてeスポーツのオリンピック参加を望むようになったら、そのときにオリンピックの参加を検討すればよいのではないでしょうか。

岡安 学 デジタルライター

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おかやす まなぶ / Manabu Okayasu

eスポーツを精力的に取材するフリーライター。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。さまざまなゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、ウェブや雑誌、ムックなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『INGRESSを一生遊ぶ!』(宝島社刊)。@digiyas

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