名が体を表していない?「残念な路線名」10選 「さくらトラム」「桃太郎線」どこだかわかる?

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「愛称」だけでなく、前記の大船渡線のように、路線名にかかわる地名にたどり着けないという点で残念な路線がいくつかある。以下の4つはそうした路線名を選んでみた。

7)札沼線(JR北海道、愛称は学園都市線)

札幌のひとつ西寄りにある桑園駅から大きく向きを変え北東方向に進む長大なローカル線だった札沼線。列車の起点は札幌であり、終点は当初留萌本線の石狩沼田となっていた。しかし、先へ行けば行くほど過疎地なので、1972年に新十津川―石狩沼田間が廃止され、札幌と沼田を結ぶ「札沼線」の名前は実態に合わなくなった。

「学園都市線」の表示がある札沼線・あいの里教育大駅の駅名標(筆者撮影)

ところが、札幌近郊の住宅開発と大学が沿線にできたため、札幌―石狩当別―北海道医療大学間は列車本数も増え、駅も増設され都市近郊路線として発展している。2012年には北海道医療大学駅までの電化が完成し、面目を一新した。そうした状況から、学園都市線の愛称が付けられ、札沼線という線名は、現在時刻表以外ではあまり見掛けなくなっている。

その一方で、末端の非電化区間はあまりにも閑散とした区間で、廃止が取りざたされている状況だ。今後、北海道医療大学より先の区間が廃止される公算が強いが、そうなった場合、札沼線の名称はどうなるのだろうか?

果たせなかった夢の跡

8)名松線(JR東海)

台風による甚大な被害で部分廃止もうわさされたJR名松線は、2016年に奇跡的な復活を遂げた。とはいえ、過疎に悩み人気ある観光地に乏しい沿線だけに前途は多難であり、さまざまな活性化策を実行することが期待される。

古びた給水塔の残る名松線の終点、伊勢奥津駅。ここから名張を目指す計画だった(筆者撮影)

そうした名松線の歴史を振り返ったとき、果たされなかった夢があったことをどれだけの人が知っているだろうか? 名松線の名称は、名張と松阪を結ぶことに由来する。結局は、途中の伊勢奥津で果ててしまい、かつて伊勢奥津と名張を結んだバスも今はない。松阪から名張まで行きたいなら近鉄を利用すればよいので、名松線が中途半端な状況で途切れてしまった現状でも不便と感じる人はいないであろう。

名前だけを見ると残念な路線だが、沿線の渓谷美や四季折々の移ろいなど、車窓が楽しめる路線だけに、せっかく復活したのだから観光列車などを走らせて集客してほしいものである。

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