41歳で地方移住、収支トントンでも得た幸せ

「利益を出す」より大切な生き方がある

41歳のシングルマザーが地方移住で感じた変化とは?(写真は本文とは関係ありません:Fast&Slow/PIXTA)

ふるさと創生・地方創生の音頭をとるならば、まず国会と霞が関の省庁がそれぞれ過疎や人口減少に悩む地域に省ごと移ってみればいい。それが最短最速でふるさと創生・地域創生につながるし、地方で生活するとはどういうことなのか知る手段にもなるだろう。

さて、筆者には最近、埼玉県から長野県に移住した知人がいる。移住したいと考えているという話はたくさん聞くが、実際に移住した知り合いは数えるほどしかいない。その中で彼女はとても楽しそうに地方移住の話をしてくれた。田舎の水が合う、そういってしまえばそれまでなのだが、都会に疲れて地方での暮らしに憧れる人の参考になればと、彼女は取材に応じてくれた。

書道教室は順風満帆だったが…

個人事業主でもある彼女は本名を出しても構わないということだったが、念のために仮にAさんとしておこう。現在41歳の彼女との出会いは10年前にさかのぼる。ライフプラン相談に夫婦で訪れてくれたのだ。当時は、まだ個人事業は始めておらず、今後自分らしい生き方を模索したいということだったと記憶している。その後、書道家として教室を開いたと聞き、筆者の子どもが生まれたときには、名前をしたためていただいたこともある。

そんなAさんのSNSでの投稿を見たところ、長野・佐久穂町に移り住んだことを知った。連絡をとったところ、現在はシングルとなり、お子さんが2人いて3人家族になっているとこのことだった。北関東出身のAさんは、もともと都会の雰囲気が苦手で、移住前に住んでいた埼玉県でも窮屈に感じていたそうだ。が、移住の決意を固めたのには、ほかに理由がある。

書道教室を運営するAさんのもとには、学校に通う子どもたち、子どものいない時間に習い事をする母親たち、休日に習い事をする教師たちと、いろいろな人たちが訪れていた。子どもたちは書道教室に来ると、学校や家庭のことを話してくれた。学校と稽古事、塾を往復する毎日で心身共に疲弊している子どもたちにとって、書道教室は心のオアシスとなっていたようだ。

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