アメリカ人はとてつもない過ちを犯したのか トランプ大統領の裏側を描いた暴露本の真偽
ところでちょっと笑ってしまったのだが、そんなトランプの人となりを分析するにあたっては、以下の記述も注目に値する。
確かにそうかもしれない。トランプという「異端」が登場したことは、多くの人々を興奮させるに値する究極のエンターテインメントだったのだろう。ただし忘れるべきでないのは、これがエンターテインメントではなく「政治」だということだ。
本書を読めば、そのことに嫌でも気づけるはずだ。そしてアメリカ人(とりわけラストベルトに暮らす人々)が、とてつもない過ちを犯してしまったことに気づかされるだろう。
中間選挙に影響は?
今年の11月に米国では中間選挙が行われるが、その結果に、本書の存在は影響するのだろうか? 影響すればいいのだが、本書が米国でベストセラーになっているとはいえ、そもそもラストベルトに本を読む人は少ないはずだ。差別的なことを言いたいわけではなく、少なからずそれは現実だ。そう考えると、複雑な気分にはなる。
ところで話は変わるが、先ごろストリーミング配信サービスの「ネットフリックス」で『トランプ:アメリカン・ドリーム』というドキュメンタリー・シリーズがスタートした。現時点では「シーズン1」しか公開されていないが、それを確認したかぎりでも興味深いことがあった。
先にも触れたとおり、本書が明らかにするトランプの考え方は、「そもそも当選するとは考えておらず、しかし、落選しても売名にはつながる」というものである。
ところがこのフィルムでは、当選までの道のりが周到に仕組まれたものだとされているのだ。
はたして、どちらが正しいのか? はっきりとしたことはわからないが、少なくことも個人的には、本書の主張にこそ説得力を感じる。
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