全米騒然!トランプ暴露本に潜む3つの疑問

「Fire And Fury」には何が書かれているのか

マイケル・ウォルフ氏による『Fire And Fury』をめぐる3つの疑問とは(写真:AP Photo/Steve Helber)

『Fire And Fury(炎と怒り)』――。ドナルド・トランプ米大統領のホワイトハウスへの道と、政権を握って最初1カ月を記した「暴露本」が、米国の政界や、多種多様の左派・右派コメンテーターを巻き込んでまさに「炎と怒り」を引き起こしている。深夜のトークショーから主要紙、雑誌まで、この本による暴露とトランプ大統領の怒りに満ちた反応を何日にもわたって取り上げている。

ジャーナリストのマイケル・ウォルフ氏による著書の最も大きな衝撃は、トランプ大統領と彼の前首席戦略官であるスティーブ・バノン氏の裏切りとも言える行為かもしれない。自らがトランプ大統領の頭脳であるとアピールする目的もあってここ数カ月で東京を2回訪れているバノン氏が、今回の暴露本の主なネタ元だからだ。

バノン氏は本の中で色々なことを話しているが、その中で最も卑劣なコメントはトランプ大統領の長男ドナルド・ジュニア氏と、義理の息子ジャレッド・クシュナー氏に向けられたもので、大統領選中のロシア政府との「悪逆無道」な接触に対してである。本の出版後、バノン氏は謝罪を試みたが、トランプ大統領の怒りは収まらず、バノン氏の支援者の多くもあっという間に彼を見捨てた。

セレブに詳しい記者が執筆

今回の暴露本をめぐる疑問は大きく3つある。1つ目は、どれだけ正確に、そして忠実にトランプ大統領を描いているのか。2つ目は、トランプ大統領がはたして精神的に大統領の任務を遂行できる状態にあるかどうか。3つ目は、はたしてこの本がロシア疑惑の捜査に影響を与えるかどうか。それぞれについて考えていこう。

まず、1つ目の疑問。どれだけ正確にトランプ大統領を描いているか。そもそも著者であるウォルフ氏自身、つねに論争を巻き起こすタイプの人物だ。同氏はエンタテインメント界の大物やセレブリティの動向を伝える「ハリウッド・リポーター」や「バニティ・フェア」などに執筆している記者である。

記者としてはその正確性で知られているわけではないが、メディア王、ルパート・マードック氏など権力者に食い込んできた。トランプ氏についても、ビジネスセレブとしてトランプ氏の以前の生活を取り上げていたことがあったため、ホワイトハウスへのアクセスを許されていたのである。

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