全米騒然!トランプ暴露本に潜む3つの疑問 「Fire And Fury」には何が書かれているのか
暴露本に書かれているいくつかの話、特にトランプ大統領のセックスライフについての卑猥なネタは、単なるゴシップであり、根拠のある事実には基づいていない。
一方で、トランプ大統領と彼の側近たちが勝利する準備もないまま大統領選を戦っていたことや、トランプ大統領の真剣さや政治討論への無関心さに対するウォルフ氏の見解は、ニューヨーク・タイムズ紙やワシントン・ポスト紙といったより信頼性が高いとされるメディアの報道から大きく外れていない。
情報を取り込む能力に欠けている
ワシントンに拠点を置くウェブ出版社のアクシオスは、自社の高レベルな情報源に基づき、今回の暴露本は2つの点で正しいと述べている。1つは、「感情的に不安定な大統領」であるというトランプ大統領の描写と、「彼に仕える人々のレベルが低い」という点だ。
1点目について、アクシオスの編集者たちは暴露本に書かれている逸話の多くは、「まさにその通りである」と考えている。トランプ大統領は、「情報ブリーフィング」で情報を取り込む能力や、それに対する興味をほとんど持ち合わせていない、ということが正確に描かれている。彼には情報を読んで理解する習慣がなく、代わりに何時間もテレビを見て過ごし、根拠がなかったとしても自身の信念に頼る傾向がある。
そして、ウォルフ氏はトランプ大統領をこう評価している。
「大統領の外交政策と世界全体に対する見解は、(彼の政権下において) 最もめちゃくちゃで、まとまっておらず、そして見るからに気まぐれな部分だ。彼の政治顧問らはトランプ大統領が孤立主義者なのか、軍事専門家なのかをわかっていなかったし、あるいは彼がその2つを区別できるのかさえわかっていなかった。彼は将官好きで、軍事司令経験のある人物が外交政策の指揮を執ることを決めたが、彼自身は指示されることが嫌いだった」
2つ目の疑問は、トランプ大統領がはたして精神的に大統領の任務を遂行できる状態にあるかどうかである。これは、彼が大統領になる準備をしていなかった、あるいは素質を持ち合わせていないことよりも深刻であり、今回の暴露本をきかっけに右派・左派入り乱れた深刻な論争が巻き起こっている。トランプ政権を終わらせる手段の1つが、米国憲法修正第25条に基づいて、大統領にはその権限と職務を遂行できる能力がないと申し立てることなので、この議論の政治的影響力は決して小さくない。
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