日本人が知らない「中国製自動車」の超速進化 日本からも技術者引き抜き水準を上げている

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WEYの新型SUV「VV6」の内装(筆者撮影)

量産車の内外装の品質については、日を追うごとに日米欧メーカーとの差を詰めていて、既存モデルから最新型への進化幅はここ数年で見ても非常に大きい。ボディパネルや塗装のひずみ、パネルとパネルの隙間、ドアの閉じ方、トリム表皮の質感、スイッチの操作感など、価格帯が明確に異なる高級車ブランドを除けば他国の平均的な量産車とほとんど遜色ない水準だが、日本のベテラン技術者がこれらを手掛けているのだとすれば合点もいく。

「VV6」の外観。マツダ車を思わせるメタリックレッドが流行のカラーだ(筆者撮影)

技術者をスカウトしているだけでなく、海外とのジョイント・ベンチャーを通じた技術の吸い上げも大きいはずだ。中国政府は最近、海外資本の自動車メーカーに中国内資本とのジョイント・ベンチャーを強いる仕組みを今後撤廃することや、輸入車に対する関税の大幅な引き下げを表明したが、それは自国製自動車の品質への自信の表れともいえる。

米国の調査機関J.D.パワーによると、中国内で新車オーナーに問題や不満点を尋ねた初期品質調査の数値において、国際ブランドと比較した中国ブランド車の平均値(100台あたりの指摘された問題点の数)は、2000年に396ポイントと大幅なマイナスだったが、2017年にはわずか13ポイント差へと、大幅に追い上げている。とりわけ内装の品質、ディスプレー類、AV・ナビシステムに対する評価は全体平均をしのぐ水準にある。

中国車のマーケティング手法

デザインと製造品質に続いて海外から中国に流入しているのは、マーケティング手法である。

LYNK&COのブース(筆者撮影)

北京ショーで吉利汽車が展開するLYNK&COのブースは、黒を基調として多数のディスプレーを吊り下げて色鮮やかな空間としたほか、階段や滑り台、ブランコを配置した立体的なスペースに、美容院を思わせるヘア&メイクのスペースや撮影スタジオ、グッズ販売、カフェスペースなどを組み合わせ、まるでテーマパークのアトラクションのひとつとして新型車「01」を楽しんでもらおうという趣向が凝らされていた。

新型車「01」(筆者撮影)

黒を基調に極彩色を加えてにぎやかさを出す手法はMINIがかつて採用していたものだが、彼らは数年前から大人びた印象を強調する白基調のCIに転じており、ちょうどグローバルで見ても重複感が避けられるだろう。2020年には欧州市場にも参入するというLYNK&CO、その品質を見るかぎり、価格やサービス体制次第でかなりの成功が見込めるのではないだろうか。

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