USENは原点回帰で拡大路線を転換、映像事業改善し今期最終黒字化狙う

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USENは原点回帰で拡大路線を転換、映像事業改善し今期最終黒字化狙う

USENの今2009年8月期は、売上高2800億円(前期比1%減)営業利益150億円(同21%増)、最終利益30億円を計画している。前08年8月期の営業減益、最終赤字から反転する会社計画だ。「東洋経済オンライン」は会社計画に今期予想を合わせ、来10年8月期についても表記のように予想する。

USENは、これまで買収や多角化で事業を拡大してきたが、主に映像・コンテンツ事業が足かせとなり業績は安定せず、前8月期も売上高2815億円(同6.5%減)、営業利益124億円(同21.9%減)、のれん関連損失がかさみ最終赤字539億円という結果となった。ただグループ会社の非連結化など特殊要素がいくつかあり、会社側の調整によると営業増益となっている。

宇野康秀社長は「原点回帰。今まで攻めの経営だったが守りの方向に転換する」と表明する。同社の主力事業で収益柱となっている、有線放送やカラオケなど業務店からの継続収入が得られる事業に集中し、当面は新規投資を抑制する方針を明らかにした。

今期は放送・業務店、映像・コンテンツ、人材関連、ISPのそれぞれの事業がほぼ横ばいの売り上げを見込む。利益面では、人材事業で景気後退の影響を受けるものの、前期に映画事業から撤退し、苦戦が続く無料動画配信事業GyaOを10月下旬に分社化するなど、映像・コンテンツ事業のリストラ効果が寄与する。カラオケなど買収子会社との営業、業務面での一体化による効率化も進み、のれん償却など大型特損も一巡する。

USENは9月末付で人材大手インテリジェンスの完全子会社化に踏み切るも市場の反応は薄く、株価は上場来安値で推移している。相乗効果を出し計画数字を達成することが信頼回復への一歩といえるだろう。

《東洋経済・最新業績予想》
 (百万円)    売 上  営業利益   経常利益  当期利益
連本2008.08      281,577     12,428      6,335    -53,908
連本2009.08予     280,000     15,000      8,000      3,000
連本2010.08予     283,000     16,000      9,000      3,500
連中2008.02      137,623      3,693     -1,051    -10,496
連中2009.02予     135,000      5,000      1,500      1,000
-----------------------------------------------------------
          1株益\    1株配\
連本2008.08       -394.1           0 
連本2009.08予        16.0           0 
連本2010.08予        18.7           0 
連中2008.02        -76.8           0 
連中2009.02予         5.3           0 
高橋 志津子 東洋経済 記者

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たかはし しづこ / Shizuko Takahashi

上智大学法学部国際関係法学科卒。東洋経済新報社に入社後は、会社四季報、週刊東洋経済、ムック、東洋経済オンラインなどさまざまな媒体で編集・執筆を手掛ける

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