トヨタ「ハイエース」の中古車がバカ高い理由 「日本のユーザーのため」が世界で評価される

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ビジネスユーザーにとどまらず、キャンピングカーのベース車両としてもハイエースは好まれた。ワンボックス形状の商用車は、トラックに比べて価格が安く、荷室にベッドや流しを装着すれば比較的簡単にキャンピングカーにアレンジできる。ハイエースはボディが丈夫だから、ルーフの上にポップアップテント(昇降式の就寝スペース)を装着するにも都合が良く、キャンピングカーの改造業者にも評判が高かった。今でもハイエースは定番のベース車になっている。サーフィンやマウンテンバイクなどを楽しむユーザーの間でもハイエースの人気は高く、これらのトランスポーターとして使うパーソナルユーザーが、ハイエース需要全体の20%以上を占めるともいわれている。

そしてハイエースが耐久性に優れていることは、さまざまな分野で「口コミ」の情報として共有され、定着していった。

2017年のハイエース登録台数は6万1200台

2017年におけるハイエース登録台数6万1200台は、乗用車でいえばトヨタの「ノア」や「ハリアー」、ホンダ「ヴェゼル」と同程度だ。十分に人気車の部類に入る。

対するライバル車の日産キャラバンも、現行型の「NV350キャラバン」は売れ行きを伸ばすが、それでも2017年の登録台数はすべてのボディを合計して2万5912台だ。ハイエースの登録台数は、キャラバンの2.4倍に相当する。以前のハイエースは、キャラバンの6倍くらい売れていたから最近は差が縮まりつつあるが、それでもハイエース優位は揺らがない。

表現を変えると、ハイエースの買い取り価格が高い理由として、キャラバンなどのライバル車が弱いことも挙げられるだろう。仮にキャラバンが以前から高い商品力を発揮していれば、ハイエースの買い取り価格が今のように極端に高まることはなかった。商品力の弱いライバル車が、ハイエースの独走を許したことになる。

似たようなことがトヨタ車同士にも当てはまる。ハイエースの下側に位置する「タウンエースバン/ライトエースバン」は、2008年に発売された現行型になって、商品力が伸び悩んだ。荷室長は2045mm、荷室幅は1495mmだから、積載空間は従来型と同等だが、荷室の床に敷かれるビニールカーペットなどの造りは貧弱だ。

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