医師はグローバルエリートになれるか?
医師免許は国境を越える?

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日本の女性医師はハーバードのMBAを目指せ

マッキンゼーに入社したいという医師と同じような理由で、アメリカなどでMBAを取りたいという方もたまにいらっしゃいます。目指す理由としては前述のものとほぼ同じです。MBAは弊社の代表も取っていますが、その勉強内容よりその資格のブランドや卒業生同士のネットワークが、その後の人生にとてもプラスに働くと言われています。そのMBAの最高峰としてあるのが、ハーバードビジネススクール(HBS)。最近では日本の三井物産が、HBSの短期研修を通してグローバルな企業人としての育成を図っているということで話題になりました。ここではその内容は述べませんが、世界を目指す医師にとってもいい情報を聞きました。

「最近は日本の若者の内向き志向を反映してか、海外留学をする人が非常に減っており、それはハーバードも同じで、反対に中国人や韓国人の入学希望者が多くなっている。しかしながら、いまだ世界有数の経済大国である日本人は無視できない存在。ハーバード側としては世界中から多種多様な人材を求めており、またバックグラウンドとしても、投資銀行出身者や戦略コンサル出身の者が中心となるのをなるべく避けたい。その点、バックグラウンドとして医師の経験を持つものは少数。そして日本人は特に女性が少ない」

ハーバードとしては「日本人・医師・女性」というのは、多様性を担保する意味でレアなバックグランドであり、面白いということになるのです。もちろん珍しいから入学を許されるということではなく、むしろ、なぜ医師がMBA?という疑問にきちんとした明確な答えが求められ、かつその後のキャリアビジョンも必要にはなります。

医師は諸外国においては製薬企業や行政機関をはじめ、日本以上にさまざまなポストで活躍している場合が多いのです。ましてやアメリカ最高峰のビジネススクール卒業だと、卒業後の進路はグローバルに活躍できる余地があります。医師がHBSを卒業して考えられる就職先としては、国連、WHO、世界銀行、NGOなど。NGOについても単なる参加者ではなく、オーガナイズする側として参加できる可能性があるのです。

グローバル思考の医師(特に女性)は、ハーバードビジネススクールのようなMBA留学をひとつの選択肢として考えるのもよいかもしれません。

以上、今回は「医師はグローバルエリートになれるか?」というトピックで書かせていただきました。次回は「医師不足は解消されるか?」ということを、私独自の視点でまとめていきたいと思っております。

中村 正志 医師専任キャリアコンサルタント

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なかむら まさし

 1971年生まれ。関西学院大学社会学部卒。株式会社船井総合研究所にて旅行業、人材ビジネス業、教育機関、医療機関などのマーケティング支援や経営戦略策定を行った後、㈱ニューハンプシャーMCの設立に参画する。

2005年に医師向けの人材紹介サービス事業を開始。「FOR YOU」の経営理念に基づき、医療機関と医師、双方がハッピーになるマッチングを心掛けている。これまで300人以上の医師のキャリア設計に携わり、転職やアルバイト先の紹介だけでなく、医学生や研修医向けの勉強会なども主宰。なお2005年から執筆している「医師のキャリアを考えるブログ」は、投稿数が1000を越え、ドクターの読者も多い。国家資格 2級キャリアコンサルティング技能士


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