医師免許を有効に利用するというわけではないですが、最近、医師であっても医師をやらず、グローバルエリートを目指す医師が以前よりも増えているように感じます。
そこでここからは、私の友人の経営コンサルタント仲間から、世界的経営コンサルティング会社の医師採用の実態や、医師のMBA取得にまつわる話を聞きましたので、それを基に続けたいと思います。
マッキンゼーに入りたい医師
とかく医師については、医師免許が世界で使えないため、一流のビジネスパーソンのように世界を飛び回るのは無理で、そのような機会がない。それでなんとなく医師免許が使えるように思え、自分の頭脳が有効利用できる場所として人気の会社が、経営コンサルティング世界大手のマッキンゼーです。
私も以前、経営コンサルタントの端くれでありましたが、マッキンゼーのブランド力は強烈で、経営コンサルティング業界では文句なしのエリート集団だという認識でした。
ではなぜ医師はマッキンゼーを目指すのか?
①医師でマッキンゼーに入社した人がいる
②臨床をやっているだけでは、経験できないグローバルエリート感が味わえる
③将来的に経営に携わりたいという希望があれば、入社すればそれが学べる
①については、マッキンゼーは複雑な問題解決に取り組める思考力を求めており、たとえば東大医学部卒ともなれば、おそらく地頭レベルの論理思考力は日本でもトップレベルのはず。 それゆえ、東大医学部ではマッキンゼーの採用説明会が開かれていましたし、実際に東大医学部を出た卒業生が入社していたりします。
②については、マッキンゼーが顧客とするのは国内外の大手企業やグローバル展開をしている企業が多く、そこで自分の外向き願望を満たせられます。
③医師は大学で経営学を学ばず、経営について非常にアレルギーを持っている人が多いのです。経営コンサルティング企業に入れば、それが学べるという意識(妄想)があります。
しかし、医師であってもマッキンゼーは非常に狭き門です。どれくらいの応募者がいるかはわかりませんが、日本支社で13O人いれば、医師免許を持つ者は数名。しかもそこは一般企業なので、病院内でありがちな医師としてのプライオリティは一切ありません。稼げるコンサルタントであるかどうかが重要であり、コンサル業界でよく言われるアップorアウト(昇進するか辞めるか?)の世界で、非常に厳しい成果主義の世界です。東大医学部卒であっても、実績が積めなければ生き残ることはできません。実際のところ成果はそれほど出せず、2~3年の在職で、臨床に戻ったり大学に戻ったりする医師が多いようです。
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