ボストンマラソンで2位!26歳看護師の正体 型破りランナーが起こした奇跡

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

セラーズのタイムは2時間44分4秒だった。

ユタ州でセラーズのコーチを務めるポール・ピルキントンは電話取材に対し、セラーズが「とてもガッツがあり、悪条件に強い」ことはわかっていたものの、「2位になるとは思いもしなかった」と明かした。

激しく打ち付ける雨と風は選手たちの気力と体力を奪った。一流のプロランナーとは対象的に、セラーズの常識破りのトレーニング法が功を奏したのかもしれないし、リラックスしていて気負わない彼女の姿勢がよかったのかもしれない。

「気分がよくない状態」に慣れていた

セラーズが夫のブレイクとともに米北東部に入ったのは、レースの6日前。すると彼らはサイクリングを楽しむためにメイン州まで行った。トップランナーたちは通常そんなことはしない。

セラーズの当初の目標は2時間37分を切ることだった。そのタイムなら2020年の五輪選考会で上位3位に入り、本戦に出場する可能性が出てくる。

ただボストンマラソンの日が近づくにつれ、荒天の予報が変わることはなく、セラーズは自分のタイムよりも完走することを考えていた。

しかしスタート地点のあるホプキントンにバスで向かうときには、不思議なほど冷静になっていたという。たとえ優勝候補ではなかったとしても、彼女もランナーなのだ。

トゥーソンでは、今年のボストンマラソンでランナーたちを苦しめたような寒さになることはめったにないが、トレーニングと仕事の二足のわらじが対策になったとセラーズは話す。

「仕事をした長い1日の後にきつい運動をすれば、気分がよかったり心地よく感じたりすることはない」とセラーズ。「奇妙なことに、私は走っている最中に気分よく感じないことに非常に慣れていた。それが役に立ったと思う」。

次ページボストンではゆっくりいこうと考えていた
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事