ボストンマラソンで2位!26歳看護師の正体

型破りランナーが起こした奇跡

悪天候により、トップ選手が次々と離脱したボストンマラソン(写真:Greg M. Cooper-USA TODAY Sports via Reuters)

ボストンマラソンで2位になるには、フルタイムの仕事の前後にトレーニングをし、週に100マイル以上は走らず、大会の数日前にボストン入りし、メイン州のアーカディア国立公園でサイクリングを楽しむ──。

ボストンマラソンで好成績を狙うためにこうした計画を立てる一流選手はこれまでまずいなかった。しかし4月16日、看護師のサラ・セラーズ(26)はレース当日の悪天候を物ともせず、プロのマラソン界に新風を吹き込んだ。世界的に権威ある大会でこのような型破りのやり方で2位に輝いたランナーはおそらく過去にいないだろう。

昨秋までフルマラソン経験はゼロ

セラーズがボストンマラソン出場を目指したきかっけは非常に素朴なものだ。弟が出場するため、自分も一緒に走れたら楽しいだろうと思ったのだ。彼女はプロのマラソン選手ではなく、昨年9月までフルマラソンを走ったこともなかったが、学生時代はケガで一線を離れるまでは忍耐強い走りで好成績を収めていた。

多くの新米ランナーと同じように新しい目標を抱いたセラーズは、アリゾナ州トゥーソンにあるバナー大学医療センターでの10時間の勤務の前や後にトレーニングを積み、ボストンマラソンの出場資格を得るため、昨年9月に故郷に近いユタ州ハンツビルのレースに参加した。

そのレースでセラーズは、女性選手194人に走り勝ち、ボストンへの切符を手に入れた。その時のタイムでボストンマラソンでは最前列のブロックに入ったが、雨でびしょぬれになりながらスタートラインに立った時は、恥ずかしい走りをしないことだけを願っていたという。

レースがスタートすると、セラーズは次々とランターたちを追い抜き、唯一抜けなかったのが優勝したデシリー・リンデンだけだった。この結果に驚いたのは、誰よりも彼女自身だった。

セラーズはレース後、自分が抜いた選手たちについて「まったく信じられなかった」「彼女たちをとても尊敬しており、自分が同じレベルにいるとはまったく思っていない」と語った。

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