「市民マラソン大会」激増の知られざる舞台裏

町おこしにつながるが競争はシビアに

勝田全国マラソンでは2万人を超えるランナーが参加した(ひたちなか市提供)

「箱根駅伝」や「都道府県対抗駅伝」が終わる1月下旬から2月は、一般ランナーも参加できる「市民マラソン大会」が各地で開催される。早春と春は、秋と並ぶシーズンで、最も大きな大会「東京マラソン2018」は2月25日に開催予定だ。同大会が現在の形となったのは2007年で、ふだんはクルマであふれる首都・東京の公道と、都内の観光名所近くを走れるため、毎年多数の市民ランナーが申し込み、抽選となる。

実は、第1回の東京マラソン開催以降、全国各地で市民マラソン大会やランニング大会が激増した。42.195kmの「フルマラソン」や、その半分の距離の「ハーフマラソン」がある大会、「10km」や「5km」中心の大会など特徴もさまざまだ。何を基準にするかで数字は違うが、関係者に取材すると「10年前(東京マラソンのスタート時)は800だったが、現在は2300もある」「インターネットのランニングサイトに登録される大会では1800超、小さな大会を合わせると2800」とも聞く。10年で約3倍に増えたといえそうだ。

マラソン大会の会場ゲート(筆者撮影)

一方、古くから開催してきた市民マラソン大会もある。今回はその1つで、1月28日に開催された「第66回 勝田全国マラソン」(茨城県ひたちなか市)を密着取材した。同マラソンの前身は1953(昭和28)年からで、20回大会から勝田市(当時。現ひたちなか市)開催となった。レースの内容ではなく、運営の舞台裏を紹介したい。

街を知り、宿泊してもらいたい

そもそも、ここまで市民マラソン大会の数が増えたのは“観光需要への期待”が大きい。実際に走るランナーだけでなく、その家族や友人・知人が来訪するので、町おこしになり、経済効果が期待できるからだ。そのため開催地の関係者は集客の工夫を凝らす。

勝田全国マラソンも、近年は「前日祭」を開催している。今年は市内の文化会館で「パスタフェア」を行い、1食300円で8種類のパスタが味わえるほか、会館内のホールでは無料の「ステージイベント」が開催された。来訪者の飲食や宿泊もねらいだ。宿泊施設側も積極的で、大会当日はロビーに無料の水とバナナなどを用意するホテルも多い。

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