中国人の「爆買い」と「トイレ革命」の深い関係 共通する「外」「内」意識の存在とは何なのか
ベビー用品や化粧品の売れ行きの好調は、上述の中国国内の事情と深く関係があるのである。「今売れているが、もうそろそろ終わるのか」、「ブームだったら投資しなくてもいいのでは」というふうに考える日本企業も少なくない。
確かに、中国国内における商品の品質が日々高くなっているのは事実であるし、競争力が非常に高まっている。しかし、日本に比べ、中国のものづくりの歴史はまだまだ浅い。結果、経済的余裕がある人が増え、国際視野を持つならば、やはり今すぐにでも購入できる海外製品を好むようになる。現在、日本より、中国人の消費能力と消費規模を見込んだ欧米・オーストラリアなどの企業の「攻め方」はもっとアグレッシブである。
訪日外国人も日本人と同じ「顧客」になる
長期の不景気を経験したため慎重派になっていたかもしれないが、慎重すぎてはビジネスチャンスを失ってしまう。ベビー用品、食品、日用品、化粧品といった消費財は日本の得意分野ともいえるし、消耗品であるため短期間でリピートをしてくれる。
もちろん、商品への嗜好は変化していくが、向き合う前に「どうせブームが過ぎてしまうから」と諦めるより、綿密なマーケティング調査をまず実施し、インバウンド→越境EC→中国国内市場での可能性を判断すべきなのではないだろうか。
そして、日本の消費情報にシンクロしている訪日中国人は今、「日本製」だけでは満足できなくなっており、「日本人も使っている」+「自分に合う」というように成熟してきた。したがって、目が肥えてきた彼らのニーズに満たせるかどうかも企業の実力である。「日本人顧客」だけではなく、訪日外国人も「顧客」として位置づけ、積極的に向き合うべきだと思う。
そして、何より、中国でも欧米でも、インバウンド事業を検討する際、まずその国の現状、社会環境を知ることが重要である。トイレ革命も訪日消費も、その事情が理解できれば、必ず今後の事業検討に役立つといえよう。
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