ネットフリックスを支える独自の「解雇」哲学

シリコンバレーでも際立つ企業文化

ご覧になった方も多いだろうが、カルチャー・デッキはなんと130枚近いスライドからなる分厚いもので、いかにも手作り感のある、生っぽい内容である。すべてを網羅するわけにいかないが、ここではいくつか注目ポイントを取り上げたい。

まずスライドでは、同社が文化としてとらえている7つの側面を挙げている。それらは、独自の価値観、ハイパフォーマンス、自由と責任、コントロールではなくコンテキスト、高度に連携する穏やかな結束、マーケットのトップ報酬、プロモーションと能力開発だ。

「A級人材」しか雇わない重要性

そして、それぞれの項目に具体的な行動指針が挙げられている。たとえば、価値観ならば、「ネットフリックスは、以下の行いとスキルを尊重する」として、判断力、コミュニケーション力、インパクト、好奇心、イノベーション、勇気、パッション、正直さ、無私無欲の9つが並ぶ。

どんなに歯の浮くような標語を並べ立てても、実際に社員の行動として実践されなければ意味はない。カルチャー・デッキは、執拗なまでに企業文化を具体的な行いにまで落とし込んだところが特徴であり、それが社員へ浸透しやすくしたのだろう。

さて、このカルチャー・デッキに1本通った視点を挙げるならば、それは「ネットフリックスは、社員をちゃんとした大人扱いする」ことと、「A級の有数な人材しか雇わない」ということだろう。自由と責任も、そこに由来するのだ。

同社には、企業ならば当然持っているはずのいくつかの規則がない。たとえば、年間の有給休暇の日数が設定されていないとか、経費についての細かな規定がないといったことだ。

マッコード氏によると、その理由は「規則よりも、論理や常識に頼るほうが良い結果が出て、コストも安くつく」からだという。そしてちゃんとした大人を社員として雇っていれば、会社のことを第一に考え、97%は正しいことをする、という。休暇ならば、タイミングも日程も周りと調整したうえで、自分が適切と感じるだけ取っていい。重要なのは、仕事を完成させることで、会社側が休暇の日数を管理するのはお門違いというわけだ。

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