「ヴィジヴ・パフォーマンスコンセプトはダイナミックな走りをデザインで表現したのですが、ヴィジヴ・ツアラーコンセプトはそれに加えて“上質さ”をプラスしたかった。
実はヴィジヴ・パフォーマンスコンセプトはすべてデータで作成したのですが、ヴィジヴ・ツアラーコンセプトはそれをベースにしながらもクレイモデル(特殊な粘土材を使用したモデル)で作成しました。つまり“ひと手間”かかっています。クレイで作成するのは大変ですが、そのひと手間がツアラーの価値を高めるために必要だったのです」
“視界”や“パッケージング”にこだわった理由
ちなみに、どちらのモデルも純粋なコンセプトカーながらも、何と“視界”や“パッケージング”にこだわっている。それはなぜなのか?
「コンセプトカーを必ず量産モデルにフィードバックさせたいと思っています。そのためにはデザインで機能を表現する部分はコンセプトカーの時点で入れておきたいのです。ちなみに以前発表したヴィジヴ2コンセプトは『XV』、ヴィジヴ・フューチャーコンセプトは『フォレスター』につながっています」
これらを踏まえても、ヴィジヴ・パフォーマンスコンセプトは次期WRXシリーズ、ヴィジヴ・ツアラーコンセプトは次期レヴォーグを示唆するモデルと考えるのが自然だろう。そもそも、現行レヴォーグの開発コンセプトは「スポーツ“ツアラー”」である。
ただ、気になるのはスポーツ系モデルでありながら、メカニズムに関するアナウンスがまったくないことだ。おそらく、量産モデルのスペックはすでに固まっているのだろう。本当のことを言えばそれがバレてしまうし、かと言ってあからさまなうそを言うと期待を裏切ってしまう……という判断から、何も公表しないことを選んだと筆者は思う。
現在のスバルラインナップはNA(自然吸気)エンジンが主流だが、この2台のパワートレーンはボンネットのエアスクープからもわかるようにターボエンジン搭載が前提だ。
実はスバルは2021年までにターボエンジンの搭載比率を現在の約1割から8割に引き上げる計画を立てている。実はその1弾がアセントに搭載された2.4Lターボで、3.6L-NA(水平対向6気筒)から置き換えられるユニットである。この流れで、2.0L-NAが1.8Lターボ、1.6L-NAが1.5Lターボに置き換わる予定だ。
現在WRX STIに搭載されている2.0Lターボ(EJ20ターボ)は、現在WRX S4/レヴォーグ(2.0モデル)に搭載される2Lターボの高出力版に変更。といっても単に出力/トルクを引き上げたのではなく、競技ユースまで許容するユニットとして一から新設計されたもののようだ。
組み合わされるトランスミッションは現在のCVTから多段ATに変更されるといううわさも聞く。MTは現行モデルではファンからの声と販売台数が比例しないので設定に関しては非常に慎重だが、「アイサイト+MT」はしっかりと対応できるそうだ。
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