「帰ってきた民主党」は支離滅裂で悲しすぎる 再分裂で多弱化加速、安倍政権に塩を送る?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

大塚氏は、党組織を存続させた上で、希望の民進出身議員を吸収し、5月連休前の新党結成を目指している。これに対し、希望も4日の党役員会で民進党が呼びかける新党協議に応じる方針を決めた。同党は6日の両院議員総会で所属議員の了承を取り付け、玉木代表が大塚民進代表との党首会談で正式合意する方針だ。玉木氏は役員会で「今までは民進主導だったが、これからは希望がイニシアチブをとってやりたい」と新党結成への強い意欲を強調した。

これをうけ、玉木代表は5日、民進出身でない松沢成文参院議員団代表ら保守系議員と、党を分割する「分党」に向けた具体的協議に着手した。結党メンバーの松沢氏はすでに執行部に分党を求めており、「議員5人以上」という分党の条件を満たすため、中山恭子、行田邦子両参院議員と中山成彬、井上一徳両衆院議員を加えた5氏で「松沢新党」を旗揚げする方針だ。

細野氏「俺は嫌われている」と孤立

そうした中、注目を集めたのは希望結党メンバーのリーダー格でもあった民進出身の細野豪志元環境相の動向だ。同氏は昨年8月末の小池百合子東京都知事による希望結党宣言の際、「新たな保守党」を目指して真っ先に参加した。細野氏は、玉木代表ら希望執行部が結党時に決めた憲法9条改正の方針を覆したことについて「理念や政策をねじ曲げて選挙のことを考えて動けば政治家として死ぬ」と反発しており、3日に新党不参加を宣言した。

細野氏は憲法や安全保障に関する路線対立を理由に民進党を飛び出して希望に参加した経緯があり、「先祖返り」は自己否定ともなる。さらに、昨秋の衆院選直前に民進党議員が希望に移籍する際、細野氏が野田佳彦前首相らに対し露骨な「排除」発言をしたことで、今回は民進党側から「こっちが細野氏を排除する」との声が噴出していたことも孤立の原因だ。

細野氏は2日夜、日本維新の会の馬場伸幸幹事長ら幹部と都内で会食した際、「俺は、嫌われてるから」と嘆いたという。「民進党の大塚代表が唱えているのは『帰ってきた民主党』だ。与(くみ)するつもりはない」と強がる細野氏だが、民進党からは「しょせんは負け犬の遠吠え」との厳しい声ももれてくる。

これまで細野氏と連携してきた希望の長島昭久政調会長も、4日の役員会で「比例で1000万票を投じてくれた有権者に申し訳ない」と分党と新党結成の双方に反対した。現時点で、細野、長島両氏に近い保守系結党メンバーも新党不参加とみられており、新党結成に伴い希望は3分裂し、細野氏らが「政界の孤児」となる可能性も否定できない。

次ページ民進は立憲民主党に「別れても好きな人」
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事