外国人が心底怖がる「勾留地獄・日本」の真実 世界一安全な国が抱える闇

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東京に滞在するある外交官は、自国の男性が勾留された際の経験を振り返りこう話す。「非常に軽い罪で勾留される例が後を絶たない。日本で身柄を拘束されることは真実を突き止めることと、罪を罰することがセットになっている」。これは非常に残酷なことだ。

たとえば、ある74歳のアメリカ人は、刃渡り5センチのナイフを所持していたというだけで10日間勾留された。また、麻薬がらみで勾留された別の男性は、難病に侵されていたにもかかわらず、自身の医者にコンタクトすることも許されなかった。

日本の司法制度に守られていると感じない

日本人からすれば、短期間の勾留に聞こえるかもしれないし、医者に連絡できないのも仕方ないと思うかもしれない。しかし、特に欧米人からするとこれは大変な人権侵害であり、多くの日本語を話せない外国人にとっては恐怖であり、人生を狂わせる事態に発展する可能性すらある。

実は筆者も一度だけ警察に連れていかれたことがある。しっかりねじ止めしていなかったスクーターのナンバープレートが落っこちてしまったからだ。その日、面接があったため、私はそうとうちゃんとした身なりをしていた。だからスクーターが「不似合い」に見えたのだろうか。私をパトカーに乗せると警官は、私をいちべつして「盗んだんだろ? ほら、言っちゃえよ。時間無駄にしなくて済むから」と言い放った。

警察署で何時間も過ごした後、警察は私を家に帰した。日本では犯罪の心配はないと確かに感じる。しかし、司法制度に安全に守られているとは感じない。

国際社会からも日本の司法制度の評判は良くない。とりわけ日本の長期勾留については、昨年、国連特別報告者が懸念を表明するなど、人権を軽んじているなどの理由から国際的に批判され続けている。日本は2020年に、京都で14回目となる「国連犯罪防止・刑事司法会議」を開く予定で、その内容はかなり野心的なものである。これは日本にとって、自らのシステムを見直す絶好の機会になるのではないか。

レジス・アルノー 『フランス・ジャポン・エコー』編集長、仏フィガロ東京特派員

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Régis Arnaud

ジャーナリスト。フランスの日刊紙ル・フィガロ、週刊経済誌『シャランジュ』の東京特派員、日仏語ビジネス誌『フランス・ジャポン・エコー』の編集長を務めるほか、阿波踊りパリのプロデュースも手掛ける。小説『Tokyo c’est fini』(1996年)の著者。近著に『誰も知らないカルロス・ゴーンの真実』(2020年)がある。

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