残念な日本…米中貿易戦争の影響は甚大だ 直接的な関税以上のインパクトがある

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中国がこれに報復することはほぼ間違いない。米中の貿易戦争がどの程度過熱するかは、現時点ではわからないが、日本やそのほかのアジア諸国が打撃を受けることは避けられないだろう。中国が米国に輸出している製品1ドル当たりのうち、40セントは中国が他国から輸入する機械類や部品に相当するからだ。

そのうちの半分はアジアからのもので、7セントは日本製製品である。つまり、中国から米国への輸出600億ドルの25%に米国が関税をかけた場合、日本の対中輸出40億ドルに25%の関税をかけることを意味する。日本製品の一部は、間接的にも中国に入っている。これは、アジアのサプライチェーンが高度化しているからで、たとえば、韓国の対中輸出1ドルのうち6セントは、韓国が日本から輸入した機械や部品などである。

韓国の例から日本が学べることは?

こうした中、韓国が免除を受けるために行った譲歩には、日本が学ぶべき教訓がある。今回の譲歩は、トランプ大統領が自らの支持者に「勝利」とツイートするには十分なものだが、どちらの国においても大多数の人々がハッキリと違いを感じられるようになるほどのものではないということが学ぶべき点だ。

米国の鉄鋼需要は増加していない。つまり、韓国が直近の出荷量の7割に抑えることに同意したところで、成長している市場を失ったことにはならない。2016年時点で韓国鉄鋼の全輸出量のうち12%が米国向けと、数年をかけて16%から減少していた。

一方、米国の安全基準のまま5万台(各社で)に倍増する米国製自動車輸入枠に関しては、米自動車大手3社が現時点で現行の輸入可能枠にすら達していない点を指摘しおきたい。韓国の輸入全体の13%を占める自動車市場で、米国からの輸出は4万2000台に過ぎず、その3分の2は日本やドイツの自動車企業が米国内の工場で生産したものである。

米国はむしろ日本により多くを求めているようだ。2国間でのFTA交渉開始の合意では、バラク・オバマ前政権下での環太平洋パートナーシップ協定(TPP)と比較して、トランプ政権は確実にさらに多くを要求し譲歩の余地をさらに減らすと考えられる。

日本が鉄鋼・アルミニウムの問題にどのように対応するにせよ、真の脅威は米国・中国間の貿易戦争の展開にあり、日本はこれにどうすることもできないのである。

リチャード・カッツ 東洋経済 特約記者(在ニューヨーク)

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Richard Katz

カーネギーカウンシルのシニアフェロー。フォーリン・アフェアーズ、フィナンシャル・タイムズなどにも寄稿する知日派ジャーナリスト。経済学修士(ニューヨーク大学)。著書に『The Contest for Japan's Economic Future: Entrepreneurs vs. Corporate Giants 』(日本語翻訳版発売予定)

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