日韓の「パラアイスホッケー」で結ばれた絆

銅メダル獲得、韓国躍進の背景に日本の存在

日本のパラアイスホッケーは長野オリンピック開催が決定した2年後の1993年にノルウェーから講師を招いたのが始まりといわれ、翌年にはクラブチームが誕生していて、現在は4チームある。

パラアイスホッケーと聞いてもピンと来ない人のほうが多いかもしれない。

発祥は、1960年代のスウェーデンといわれ、その後、1994年に開かれたノルウェーのリレハンメル冬季パラリンピックで正式種目となった。もともとは選手が乗るスレッジから「アイススレッジホッケー」と呼ばれていたが、今年から呼称がパラアイスホッケーに統一されている。

アイスホッケーと異なる点は大きく2つあって、1つは、スレッジという専用のソリに乗ってプレーすること、そして、もう1つは2本の短いスティックを使う点だ。スレッジには腰掛けるバケット(1人用座席)という部分があり、選手はそこに腰かけてプレーする。

スティックはアイスホッケーよりも短くて、一方のグリップの先にはパックを打つブレードがあり、もう一方には小さな突起がついている。この突起でリンクを蹴り、ブレードのあるほうと上下を器用に使い分けながらプレーを進めていく。

スティックさばきが絶妙

「スレッジに乗ってバランスを崩して倒れた後に起き上がるのが至難の業なんです。脊髄を損傷した選手は腰が使えませんから、さらにしんどい。そうしてスピードを出しながらスティックを使い分けるのはもう匠の技ですよ」(河理事)

氷上の格闘技とも呼ばれる。写真は日韓戦(筆者撮影)

実際の試合では、そんな苦労をみじんも感じさせない妙技が次々と飛び出し、思った以上の迫力とスピードで一瞬にして引き込まれる。アイスホッケーと同じくボディチェックと呼ばれる体当たりもあってまさに「氷上の格闘技」だ。

また、アイスホッケーにはない、相手をかわすために、一方のスティックからもうひとつのスティックにパスを出す、自分から自分へのパスもあって、選手たちのスティックさばきの絶妙なこと。

華麗なシュートや相手の間隙を突いたパッシングなど目を見張るプレーは多々あるが、このいぶし銀のようなスティックさばきが個人的にはパラアイスホッケーのいちばんの見どころのように実際に観戦していて感じた。

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