電撃訪中の狙いは?米韓に広がる「嫌な予感」 「見返り」がなければ核放棄に応じない可能性
過去7年間、断絶状態だった北朝鮮と中国が、突然「蜜月関係」に変わった。金正恩・朝鮮労働党委員長が、電撃的に北京を訪問し、習近平・中国国家主席と握手し、5時間にわたって会談したからだ。そこで交わされた合意の内容を見て、4月から5月にかけて正恩氏と首脳会談を予定している韓国と米国には、「悪い予感」が広がっている。
国家元首用の豪華な18号楼を用意
3月25~28日に渡って北京を訪れた正恩氏への中国政府の歓待ぶりは、目を見張るものがあった。正恩氏が乗った特別列車が中国入りすると、北朝鮮との窓口である中国共産党の宋濤・中央対外連絡部長が乗り込んで、歓迎した。
北京駅では、習主席の知恵袋と呼ばれる、共産党序列5位の王滬寧・中央政治局常務委員らが待ち受けていた。
列車から駅構内には赤い絨毯が敷かれており、多くの関係者が出迎えた。さらに宿舎となった北京市内の釣魚台迎賓館では、国家元首用の豪華な18号楼が用意されていた。
ここは、40回以上訪中した祖父の金日成主席、9回訪中した金正日総書記(いずれも故人)の訪中での定宿だった。この楼の外には、金日成氏が贈った木が大きく育っている。また、中国滞在中、中央政治局常務委員3人と面会し、習主席と2回食事を共にしている。「非公式訪問」のはずなのに、事実上は国賓待遇だった。
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