独身が5割超、江戸男子に学ぶシングルライフ 吉原、居酒屋、コスプレ…今に続く文化を量産

✎ 1〜 ✎ 30 ✎ 31 ✎ 32 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

このグラフを見ておわかりのとおり、男女で有配偶率が大きく違います。それは、江戸が相当な男余りの都市だったからです。1721(享保6)年の江戸の町人人口(武家を除く)は約50万人ですが、男性32万人に対し、女性18万人と圧倒的に男性人口が多かったのです。女性の2倍、圧倒的に男余りでした。つまり、江戸の男たちは、結婚したくても相手がいなかったのです。「茨城県が1位!『ニッポン男余り現象』の正体」という記事にも書いたとおり、現代の日本も未婚男性が未婚女性に比べ300万人も多い男余り状態です。江戸と今の日本はとても似ていると言えます。

独身男性であふれていた江戸だからこそ、最も栄えたのが食産業でした。今も独身男性は消費支出に占める食費の割合(エンゲル係数)が30%近くあります。特に外食費比率が高いのですが、ソロ男たちは、外食費や調理食品、飲料や酒の消費額は、実額で一家族分以上消費しています(外食費は1家族以上!独身男は「よき消費者」だ)。

ファストフードも居酒屋も

独身男の食欲が旺盛なのは江戸時代とて一緒で、握りずしは今でいうファストフードとして生まれたものです。当時の握りずしは、今のおにぎり大のサイズがあり、江戸の男たちは歩きながらそれをほお張ったのでしょう。屋台のそば屋も天ぷら屋も対象ターゲットは江戸の独身男たちでした。酒屋で酒を買ったせっかちな江戸っ子たちが、店先で飲み始めたことから、つまみのサービスが始まり、そこから「酒屋に居る」という意味の居酒屋業態が栄えることにもなりました。

次ページあらゆるものをレンタルで賄うのが普通だった
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事