「画像処理技術」の最先端で起きていること モルフォ社長にロングインタビュー
朝倉:テクノロジーが好きな研究者肌の方は、あまりビジネススケールに強い意志がない場合もありますね。
平賀:僕もそうですけど、研究者っていいテクノロジーに触れていられれば幸せ、というところがありますしね。
村上:平賀さんご自身の時間の使い方についてお聞きします。経営に割く時間が増す一方で、テクノロジーの強みもキープしなければ、そもそも会社の軸となる競争優位性がなくなってしまいますよね。経営者とCTOという役割を、どのように使い分けられているんですか?
平賀:IPO直後までは、半分以上は自分でエンジニアリングしていました。ただ、ここ1~2年、ウィークデイは8割が経営で、開発が2割くらい。でも優秀なエンジニアがいるので、大丈夫だと思っています。本音を言うと、理想は自分のすべての時間をエンジニアリングに当てたいんですけどね(笑)。
イニシアチブは誰が担う?
小林賢治(シニフィアン共同代表。以下、小林):これから新領域に進出する際、個別の技術開発プロジェクトというよりは「このデータとこの技術があればこんなことができる」という、ビジネスディベロップメントとプロダクトディベロップメントの両側面を持つプロジェクトになっていくように思います。そのプロジェクトを始めるイニシアチブはどういう方が担われているんですか?
平賀:営業だろうが技術だろうが管理職だろうが、思いついた人がやる感じですね。
村上:では、さらに開発資金を投じるかどうかの判断はどのようにされているんですか?
平賀:開発にかける資金の振り分け方は、われわれくらいの規模の会社ではそれほど悩むことはありません。1つのプロジェクトを、3~4人で半年ほど進めたところでお客さんに見せてみて、「良い」と言われればさらに改善して行き、「お客さんから引きがなければやめる」という方針なので。
村上:では、ある程度自由にマネジメントされているんですね。
平賀:そうですね。ただ、コスト意識はちゃんと持ってもらうようにしています。どのプロジェクトにどれくらい工数を割いているかは可視化しています。それをもとに、月1回の幹部会で開発を続けるかどうかの判断をしているので、完全に放置というわけではありません。
村上:現状では一つひとつのプロジェクトへの投資額はそれほど大きくないということですが、今後ライセンスで売れるものを出していくとなると、少し骨太のプロダクトを開発するフェーズが来ると思います。そのための組織づくりなども今後進めていく予定ですか?